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レジェンドに挑む「ネクストジェン」。
フェデラーは世代交代を恐れない。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2019/04/04 10:30
2017年のレーバーカップでアレクサンダー・ズベレフ(左)と話をするロジャー・フェデラー(中)とビヨン・ボルグ(右)。
彼らにとって最高の贈り物とは……。
マイアミで通算101回目のツアー優勝を果たしたフェデラーが初めて出場したマスターズは1999年、ちょうど20年前のこのマイアミ・オープンだった。シャポバロフもオジェアリアシムもまだ生まれていない。彼らが物心ついたとき、ラケットを握り始めたときにはフェデラーはすでにスーパースターだったのだ。
ATPの公式サイトの選手プロフィールによれば、現在ランキングのトップ50内にいる21歳以下の6人のうち5人が子供時代の憧れの選手にフェデラーの名を挙げている。ズベレフもチチパスもシャポバロフもオジェアリアシムもアレックス・デミノーも……。
彼らにとっての最大の特典、最高の贈り物は、そのフェデラーに直接挑むチャンスがあるということだろう。まだこうして光り輝いている37歳の現役レジェンドと戦う。それがどれほど大きなエネルギーとなり、かけがえのない経験を与えるか……。
フェデラーとの対戦は「夢のよう」。
マイアミではシャポバロフがついに準決勝でフェデラーとの初対戦を果たした。
対戦相手との歳の差「18」はフェデラーにとっても最大だったという。試合の前日、シャポバロフは「これまでの人生でずっと楽しみにしていた一戦だ。マスターズの準決勝でロジャーと対戦するなんて、夢のようだよ」と語った。
結果は2-6、4-6で敗戦。それでも、試合後のコメントはフェデラーへの敬意にあふれていた。
「彼のレベルについていくことができなかった。まったくリズムに乗せてもらえなかったよ。練習を何度かしているから彼がどんなボールを打ってくるかは知っていたけど、経験の差を思い知った。彼のプレーには穴がない。完璧なプレーヤーだ。この試合から学んで次に進みたい」