【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
NBA、NHL視察で見た規格外アリーナ。
そしてファンの成熟が選手を育てる。
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph byCHIBA JETS FUNABASHI
posted2019/04/03 07:00
ツアー期間中はNBAのニューヨーク・ニックスやアトランタ・ホークスのホームゲームを観戦し、アリーナなどを視察した。
自由に楽しむファンの成熟度。
4日間の視察で私が最も印象に残っているのは、実は、アリーナでもスポーツビジネスの実態でもなく、会場にいるファンの成熟度でした。
日本にも日本の良さがありますが、アメリカのファンの会場での過ごし方、試合に対してのリアクション、楽しみ方は本当に自由。ここはブーイングの場面とか、熱狂するところも良く分かっていらっしゃる。大好きなバスケットを心の底から楽しみ、味わっているなという感じが伝わってきました。また、そういう文化だからこそ、選手たちも育っていくのだろうな、と。
2012年にジェッツの代表取締役に就任以来、私は、まずは船橋アリーナを満員にすることを目標に掲げていました。ジェッツがまだよちよち歩きをする子供のような時代は、何よりも、地域にかわいがってもらうように汗をかくことが優先。ただ、ここからは少しスケールを変化させていかなければならないとも感じているのです。
ビジネスとしてさらに大きく成長させていくためにはどうするべきか。周りを見て勉強するに値する状況にようやくたどりついたと感じたこともあって、野球やサッカーの試合を視察したり、満を持して、今回NBAを視察したり、動き始めています。
そういった意味で今回の視察は、ジェッツの更なる事業成長のために、NBA、アメリカのスポーツのアイデアやスケールを感じられたことは、非常に実りのあるものだったと思います。日本におけるアリーナ問題。建設するとなれば150~200億程度のコストがかかりますが、その資金をどのように調達したらいいのか、そのヒントは得られたと思います。
(構成・石井宏美/Number編集部)