サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
昌子源が代表の戦術を進化させる。
「いろんな方法があると思うんです」
posted2019/03/25 12:00
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Takuya Sugiyama
「フランスへ行ってすぐの試合も緊張はしなかったんですけど、今日は久々に緊張しましたね。感慨深いものがありました。やっぱりいい場所だなって。戻ってきたという感じもあります。でも、誰しもがまだ不動のポジションを手にしているわけじゃないと思いますし、そういう競争があるなかで、代表でプレーできる喜びをもう一度思い出させてもらえた試合でしたね」
3月22日のコロンビア戦に先発出場した昌子源は、ゆっくりとそう話した。代表戦の出場は、昨年のW杯ロシア大会、ベルギー戦以来だった。負傷や過密日程、そしてフランスへ移籍直後だったことなどもあってか、森保ジャパンの発足以来メンバーには選ばれてこなかった。
カタール大会へ向けて発足したチームでは、自身がいた場所に立つ若い冨安健洋の活躍を映像で確認はしていたが、焦燥感を抱くことはなかった。
それよりも現実の毎日に必死だったからだ。負傷を癒すこと、そしてACL決勝戦やクラブW杯。海を渡ってからは、フランス・トゥールーズでの日々に注力することがもっとも重要なことだった。
新鮮だからこそ芽生えた緊張感。
満を持しての代表復帰となったコロンビア戦、W杯でも対戦した相手ではあったが、新鮮な気持ちでその舞台に立った。だからこそ、昌子は緊張感を抱いたのだろう。そのうえ、新チームでの戦術練習は実質2日間しかなかった。
「監督が代わればサッカーが変わるのは当然のこと。監督特有の色が出てくると思うし、今回僕は初めてだったので、その色に早く染まれるようにしなくちゃいけない。アジアカップでどんなふうに守っていたのかいろいろ情報を聞いて、どういうサッカーをするのかというのも練習のなかで整理できました。
森保さんも、縦への意識が強い監督だと思います。ヒガシくん(東口順昭)がボールを持ったときも、すぐに開いてパスを繋ごうとしていた。今日の前半に関して言えば、そのチャレンジがすごくうまく行っていたし、個人的には非常にいい戦いができたと感じています」