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MotoGP開幕、シーズン徹底検証!
ホンダ、ドゥカティ、中上貴晶は?
posted2019/03/08 16:30
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
今週、2019年ロードレース世界選手権が開幕した。週末の日曜日には開幕戦決勝レースが行われる。
今年は開幕に向けて行われたテストが、マレーシアとカタールの2回だけで、合計6日間と短かった。
そのうち、開幕戦カタールGPの舞台となるロサイル・インターナショナル・サーキットは、砂漠の中にあり、路面コンディションが連日大きく変化するため、マシンの開発という点ではあまり参考にならない。そのため、2019年型マシンのテストは、事実上、マレーシアの3日間だけで開幕すると言っても過言ではなかった。
それだけに、開幕戦の結果を予想するのは難しい。さらに、開幕戦の結果でシーズンを通しての予想をすることも難しいが、ここまで見てきた4強メーカーの印象を言葉にすれば、けが人が多いホンダは”予想困難”、この数年タイトル獲得にあと一歩と迫るドゥカティは”まずまず順調”、復活を目指すヤマハは”一歩前進”、スズキは”進化中”となりそうだ。
予想を困難にしているひとつの要素には、テスト期間が短いため、ワークスチームの選手たちが本気でタイムアタックしている時間がほとんどなかったからだ。
それをもっとも感じさせたのが、ドゥカティのエースで2年連続総合2位のアンドレア・ドビツィオーゾである。
ドビツィオーゾ自身の進化が必要。
ベストタイムでは、マレーシアテストが総合4番手、カタールは総合15番手だったが、本番を想定する連続ラップではライバルたちを一歩リードしていた。ラップタイムの安定性ではナンバー1であり、今年もチャンピオン争いの中心にいることは間違いない。
しかし、ドビツィオーゾは冷静沈着な戦いをする反面、プレッシャーに弱く、ドビツィオーゾがタイトルを獲るためには、大きなリードを築くことが必要になる。
今年は一段のメーカー間のパフォーマンスが接近、独走するのは難しい状況で、ドビツィオーゾ自身のパワーアップが必要となりそうだ。