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MotoGP開幕、シーズン徹底検証!
ホンダ、ドゥカティ、中上貴晶は?
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2019/03/08 16:30
開幕直前に撮られたライダー勢揃いの記念写真。左端、MotoGP2年目となる中上貴晶には期待せざるをえない!
試行錯誤続く、ヤマハのマシン開発。
ヤマハ勢では、ヤマハ移籍3年目のマーベリック・ビニャーレスが好調だ。
チームメートで王者バレンティーノ・ロッシも、開幕戦に向けて帳尻を合わせ、タイムもポジションもあげてきた。
しかし、この数年続いている、マシン開発の試行錯誤は依然として続いている印象で、今年のパッケージがどこまでリザルトを伸ばすのか、に注目される。
40歳になったロッシは、全盛時代の力には及ばないが、今年もチャンピオン争いに加わることは間違いなく、マシン開発の中心にいる。ビニャーレスは、若くて勢いはあるが、すぐに頭に血が上る性格がウイークポイント。それを是正できれば、チャンピオン争いに加わることは間違いない。
そうしたヤマハの試行錯誤を解消してくれそうなのが、新チーム「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のフランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロの若手2人の元気ある走りかも知れない。
この2人は、時折、ワークスの2人を凌ぐ快走を見せており、ヤマハのマシン作りのレベルの高さを感じさせる。この数年の問題はなんなのか――この若手ふたりの走りにヒントがあるのかも知れない。
特典がなくなるスズキの勝機は?
ビニャーレスが離れた後、一時期、低迷が続いたスズキは、3年目を迎えるアレックス・リンスが着実に成長。昨年は5回の表彰台を獲得して、押しも押されもしないエースに成長した。ウインターテストでは、今年はチャンピオン争いに加わる可能性を感じさせた。
しかし、今年のスズキは、低迷するメーカーに与えられる特典がなくなる。エンジン開発禁止の除外、シーズン7基までが9基までというコンセッションルールが外され、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティと同じ土俵での戦いになる。そこでどんな戦いが出来るのか、まさに、真価を問われるシーズンとなりそうだ。来年はスズキ創業100周年。チャンピオン獲得に大きく前進したい一年となる。