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“リアリスト”フリオ・ラマスHCが
語ったバスケ日本代表の目指す未来。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/03/08 07:00

“リアリスト”フリオ・ラマスHCが語ったバスケ日本代表の目指す未来。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

代表を率いてアウェーのカタール戦に勝利、W杯本大会出場へと導いたフリオ・ラマスHC。帰国後単独でのインタビューに応じた。

渡邊雄太のリーダー素質。

「もともと、日本の選手はバスケットボールに対するインテリジェンスが高かったのですが、その長所が発揮されました。私が目指すオフェンスでは、ボールマン(ボールを持った選手)以外の4人の“オフ・ザ・ボール”の動きが大切になります。チーム全体で動き、いかにボールマンにスペースを作り出すかがポイントになる。試合、そして合宿を経るにつれ、チームとして熟練していきましたね」

 チームの理解度が上がっていくなかで、得点の起爆剤となったのは渡邊、八村、ファジーカスの3人である。合流して短期間のうちに、システムにうまくフィットし、日本代表は危険なチームへと変身した。特に渡邊の影響力に関しては、ラマスHCは高く評価している。

「渡邊はプレーの内容ばかりではなく、周りの選手のレベルを引き上げる人間性があります。たとえば、馬場(雄大・アルバルク東京)に関しては、私はずっとゴール下のエリアでのプレー、シュート、『ペイント・タッチ』のことを口を酸っぱくして指導してきましたが、渡邊が入ってきてからは、馬場の積極的なプレーが見られるようになりました。

 私はアルゼンチン、スペインで指導してきましたが、周りの選手の力を引き出していくのも、リーダーにとって欠かせない要素なのです」

代表と国内リーグの連係は必須。

 渡邊、八村の活躍もあって9月の時点で4勝4敗の五分に漕ぎつけたものの、最終戦までの計4試合は、アメリカでプレーするふたり抜きでの戦いを余儀なくされた。当然、得点力の著しい減退が心配された。しかし、Bリーグ勢がそんな不安を吹き飛ばした。

「得点力を補ってくれたのは、ファジーカスです。彼は足首の具合が思わしくなく、様子を見ながらのプレーでしたが、正確なシュートタッチを披露してくれました。そして私はBリーグのレベルアップも8連勝につながった大きな要因だと考えています」

 ラマスHCは、代表と国内リーグの連係が強化には欠かせない要因だと、就任当初から強調していた。

「Bリーグは3シーズン目を迎え、国際レベルに近づいてきたと感じています。特に、栃木、アルバルク東京、琉球が見せるディフェンスは激しく、他のチームも少しずつ変化を見せています。よりハイレベルな試合が展開されることを期待したいですね」

【次ページ】 13年ぶりの大舞台へ。

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