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女子バスケWリーグ史上初の11連覇。
JX-ENEOSを突き動かした向上心。
posted2019/03/09 09:00
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph by
AFLO
かつての日本リーグから組織が変わり、Wリーグとなったのは1999-2000シーズンのこと。記念すべきそのシーズンを制した初代女王はシャンソン化粧品シャンソンVマジック。これは、日本リーグ時代から通算10連覇目という偉業だった。
そしてWリーグ20年目の節目となる今季の'18-'19シーズン。その記録はついに破られることとなった。
2戦先勝方式のファイナルは第1戦が3月2日に行われ、JX-ENEOSサンフラワーズが91-68で快勝。昨シーズンの時点でシャンソン化粧品10連覇の記録に並んでいたJX-ENEOSは、翌3日の第2戦、新たな金字塔樹立に挑むこととなった。
しかしながら、過去10シーズン名だたるチームをはね返してきたJX-ENEOSにとって、今回の相手は最も手強いチームだったかもしれない。レギュラーシーズンで3位に躍進し、セミファイナルではトヨタ自動車アンテロープスを撃破して初めてファイナルに駒を進めた三菱電機コアラーズ。
偉業達成の前に立ちはだかった三菱電機。
第1戦はJX-ENEOSが地力でねじ伏せたが、2戦目は三菱電機の高いエナジーに対して、JX-ENEOSが受け身に回る形となった。
JX-ENEOSは攻めては岡本彩也花が果敢にアタックし、宮澤夕貴は得意の3ポイントを連発。守っては要所でのトラップディフェンスでターンオーバーを誘い、前半は相手を27点に抑え込む。16点リードで迎えた第3クォーターも中盤まではそのリードを保っていた。
しかし、残り5分32秒の岡本のジャンプシュートの後、JX-ENEOSの得点が止まる。
三菱電機の根本葉留乃に3ポイントを決められ、残り4分14秒で早めのタイムアウトで立て直しを図るも、その後さらに根本の3ポイントを2本、残り1分43秒には川井麻衣にも3ポイントを許し、6点差。たまらず後半2回目のタイムアウトを取った。