甲子園の風BACK NUMBER
筒香やダルの言葉で考える球数制限。
高校野球は誰のためにあるのか。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/02/24 17:00
200球を超えるような起用はさすがに減ったが、それでも投手に巨大な負担がかかっているのは否定しようがない。
連投の制限は球数とセット。
球数制限だけではなく、連投制限もした方がいいと彼は言う。
「球数も連投も、両方一緒にやればいい。球数なら、例えば1年生は70球とか。80球でも良いけど、とりあえず決めて、2年生が90球、3年生になったら100球とか。それで、その球数までいったら、連投はできませんよ、というルールを一緒に作ったらいい」
高野連は4月から、専門家を交えた有識者会議で球数制限の導入について検討を進めていくというが、そうやってる間に、日本のどこかで子どもたちが肩肘の痛みに悲鳴を上げているかも知れない。
だから、我々=大人たちが、真面目に考えなければならない。
あなたが野球選手であろうが、メディアであろうが、ファンであろうが関係ない。理事会であろうが、有識者会議であろうが、会社の飲み会であろうが、SNSであろうが、関係ない。
もしも、あなたがちょっとでも野球のことが好きだと言うのなら、一緒に考えて欲しい。
高校野球は、「子どもたち」のためにあるのか。
高校野球は、「大人たち」のためにあるのか。
高校野球は、誰のためにあるのか。
その問いは今、我々、全員に向けられている――。