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高野連の球数制限「再考」は進歩だ。
有識者会議に呼んで欲しいこの7人!

posted2019/02/23 17:00

 
高野連の球数制限「再考」は進歩だ。有識者会議に呼んで欲しいこの7人!<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

投球数の問題はここ近年で大きくクローズアップされている。それをどう建設的なものに発展させていくか。それが今問われている。

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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Hideki Sugiyama

 前進とみるか、後退と悲観するか。

 これはおそらく、捉え方次第なのだろう。

 日本高校野球連盟は20日、大阪市内で理事会を開いた。昨年末から議題になっていた、新潟県高野連が導入を表明した投手の球数制限について、再考を求めるように同連盟に申し入れた。

「再考を求める」という言葉だけを捉えればこれまでと変わらないように映るし、「多様性を認める」という方針の日本高野連・八田英二会長の考えとも異なる。

 とはいえ、日本高野連側の対応にも変化の兆しは見える。特に「投手の障害予防に関する有識者会議」を4月から発足しようという姿勢は評価すべきだろう。

「再考」の部分を取り上げて日本高野連を批判するのは簡単だ。しかしいま最も大事なことは、この変化をどう前向きに捉えるかだ。

 日本高野連は再考を求めている一方で、昨年から新潟県高野連の動きを評価しており、言葉として口にしたことに意義がある。さらに今回は、前述した有識者会議を設置するとまで発表している。

意見を聞き入れる姿勢は前進。

 最終的な制度決定は来年までに、というスピード感の遅さは高野連らしいと言わざるを得ないが、かつては多くの決定が内部だけで行われてきた。それを考えれば、外部からの意見を聞き入れる姿勢は前進と言える。

 もともと日本高野連は、サッカーのように縦の繋がりがある連盟ではない。外圧からの影響を受けない、言わば“独立国家”のような形だ。

 同組織のメンバーは、教員となって高校野球に何らかの形で関わり、各都道府県の高野連を経て今に至る。申し送り事項が存在するわけではないが、彼らは連盟の歴史を守ることを最優先にしてきたのだ。

 その背景を踏まえれば、今回の件は画期的だと感じる。

【次ページ】 日本高野連も変革の時期だと。

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