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浦和オリヴェイラ監督に訊く・前編。
自信を取り戻させた方法論とは。
 

text by

飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byYuki Suenaga

posted2019/02/21 17:25

浦和オリヴェイラ監督に訊く・前編。自信を取り戻させた方法論とは。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

単独インタビューに応じたオズワルド・オリヴェイラ監督。その眼力はモチベーターらしい情熱にあふれていた。

長澤は要求に応えてくれた。

――監督ご自身のタイトルへの強い意欲と妥協を許さない姿勢を改めて感じられたのは、ロシア・ワールドカップを戦い終えたばかりの槙野選手と遠藤航選手を天皇杯3回戦の松本山雅戦(7月11日/○2-1)で起用したことです。チームへのメッセージにもなったんじゃないかと想像します。

「そのとおりですね。だからこそ、その後に遠藤が移籍したのは残念でした。ルヴァンカップの広島戦でボランチとして試し、シーズン後半戦に向けた新システムにおいて、彼は非常に重要な選手だったのです。だから、彼が去ったあとに空いた穴は、あまりにも大きかった。

 さらにそのあと、ファブリシオも負傷してしまった。チームに合流してすぐゴールを量産してくれていたので、彼の離脱も痛恨でした。ただ、ふたりがいないなかで、別の特徴を持つ選手が代わりに出て、彼らの不在を感じさせない活躍をしてくれたので、チームがまとまることができました」

――ファブリシオ選手が離脱してから、全員攻撃・全員守備のスタイル、スピリッツがはっきりしたと感じています。それは気のせいでしょうか?

「そうですね。確かにチームの戦い方は変わりました。ファブリシオの代わりにメンバーに入ったのが、長澤和輝でした。ファブリシオとはまったく特徴の異なる選手です」

――3ボランチに変えたのは、そうした理由もある、ということですか。

「長澤のプロフィールを見れば、ボランチと書いてあるかもしれませんが、私が長澤に託した役割は、ボランチの枠に収まりません。守備のときはブロックに戻り、マークしますが、攻撃に転じれば、相手のペナルティエリアまで入っていってゴールを決めたり、アシストしたりすることを求めました。長澤はその要求に応えてくれたと感じています」

長年の指導歴で築き上げたオリヴェイラ流チームマネジメント術、そして浦和という街、ファンやサポーターへの想い――。後編では名伯楽がその考えや思いを語ってくれた。
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