“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
久保建英と同い年の西川、染野らに
漂い始めた「新・黄金世代」の匂い。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/02/19 07:00
ネクストジェネレーションマッチで10番を背負った西川潤。久保、斉藤を追うというモチベーションが彼を駆り立てている。
武田はずっと西川をライバル視。
一方、武田は左足と的確な状況判断で青森山田の選手権優勝の立役者となったわけだが、最初から西川をライバル視していた。
「アジアでMVPを獲っている選手だし、同じ左利きで見習うところはいっぱいあるので、そこは吸収したい。でもやっぱり同じ高校生だし、絶対に負けたくない」
西川は中学時代に横浜F・マリノスジュニアユースで10番を背負い、ユース昇格を断って桐光学園に入学。そこでもすぐに10番を託された。昨年はAFC U-16選手権で大会MVPを獲得。とはいえ彼も大手を振っていられるわけではない。
「周りがどんなに騒いでも、僕の前には久保と斉藤という2人がいます。久保選手はU-17W杯、U-20W杯に出ていて、すでにすごい存在。光毅は同じ神奈川で普段から仲が良いですが、彼もすでにAFC U-19選手権に出場して、Jリーグにも出ていますし……。
正直、その姿を見て『俺も早くあそこに食い込みたい』という想いでやっていましたし、それは今も変わりません。2人がいるからこそ、僕は一切浮かれられないんです。ライバルというか、越えたいという一心でやっていますから」
西川「モタモタできない」
決して自分が一番ではない。地に足をつけて日々成長しようとしているからこそ、周囲に大きな刺激を与えている。
その謙虚かつ冷静な目は、染野、武田、鈴木にも向けられていた。
「同い年の良い選手がたくさん出てきたな、という印象です。(鈴木)唯人はマリノスで小3から一緒で、ドリブルに独特のテンポ、リズムがあって面白いと思っていました。ヒデ(武田)と(染野)唯月は今回初めて一緒にプレーしましたが、ヒデはキックが上手くて、自分が欲しいタイミングで動き出したらパスを出してくれる。唯月はボールを収めたりヘッドしたり、そして点を決める動きも長けているなと感じました。
2人は選手権で大事な試合で点を決めたし、(武田は)優勝メンバーとして落ち着いていて、すごく刺激になりました。自分もモタモタできないという意識はあります」