“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
久保建英と同い年の西川、染野らに
漂い始めた「新・黄金世代」の匂い。
posted2019/02/19 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
2019年のサッカーシーズンの幕開けとなるゼロックススーパーカップ。その前座試合として、選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校サッカー選抜と、4月で高校3年生となる年代以下のJユースの選手をセレクトしたU-18Jリーグ選抜が対戦する、ネクストジェネレーションマッチが行われた。
新たに高3となる「2001年4月生まれ~2002年早生まれ世代」と言えば、久保建英(FC東京)、斉藤光毅(横浜FC)、西川潤(桐光学園)の3人が代表格と言える。
一方で日本高校選抜は現在の高3が中心メンバーだが、その1学年下からも4人選ばれている。西川、染野唯月(尚志)、武田英寿(青森山田)、鈴木唯人(市立船橋)。早くもプロのスカウトが獲得に動き出している選手たちだ。
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西川の獲得レースの激しさは、おそらく来季ナンバーワンとなる。そして染野、武田、鈴木は昨年から動向をチェックしているクラブはあったが、特に染野と武田は今回の選手権で大ブレークして一気に熱を帯びてきた。そして鈴木も、影の注目選手である。
4人はそれぞれ立場が異なったため、これまでは全員の想いが交わる機会はあまりなかった。しかし選手権、高校選抜の活動をともにしたことで刺激を受け、新たなモチベーションを生み出したようだ。
染野「自分も負けられない」。
「正直、最初は僕の中で潤は“すごく遠い存在”でした。でも僕自身も年代別代表に入ったり、選手権でプレーして自信がつきましたし、同じ高校選抜でプレーできるようになり、ライバルになったというか、自分も負けていられないと思っています」
染野は西川についてこう語った。彼は尚志の2年生エースとして、プレミアリーグ参入決定戦でゴールを挙げ、2度目のプレミアリーグ昇格に導いた。そして選手権では前回王者の前橋育英を破るゴールを奪い、準決勝では青森山田相手にハットトリックを達成。自信と経験を積み、遠かった背中はライバルと認識する存在にまで近づいた。