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J監督16年目、松本山雅では8年目。
反町康治監督のJ1残留計画に迫る。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/02/14 17:00
湘南の曹貴裁監督と並んで、Jで最長となる8年目を迎える反町康治。今度こそJ1残留を目指している。
長身ブラジル人と、日本人スピードスター。
今シーズンの松本では、新加入のレアンドロ・ペレイラが得点源になれるか。ブラジル生まれの27歳は、190センチのサイズを誇る長身ストライカーだ。大宮戦では3-4-3の3トップの中央でプレーし、攻撃の起点になりながらゴールへ迫っていった。
松本の攻撃陣には、スピードスターの前田大然がいる。大宮戦で3トップの右サイドに入った彼は、カウンターの局面で攻撃の太い矢印となる。
失点を減らしていくことは、J1残留の大前提である。そのうえで勝利をつかむには、少ないチャンスを確実に得点へ結びつけたり、サポートに恵まれなくても局面を打開したりする個の力が必要になってくる。レアンドロと前田が互いの特徴を引き出し合う関係を構築することは、今シーズンの松本の生命線になっていくはずだ。
東京五輪世代の前田は、U-22日本代表でもFWの一角に食い込んでいる。3月22日から26日までミャンマーで開催されるU-23選手権予選には、J1リーグを欠場せずに参加できる。しかし、5月末から6月中旬に予定されるフランス遠征の期間中は、J1リーグが消化されていく。
かつて北京五輪代表を指揮した反町監督は、五輪世代の強化が日本サッカー全体の利益になることを認識している。U-22日本代表の対象選手が招集されれば、協力は惜しまないはずだ。
先の大宮戦では、町田也真人が3トップの左サイドで起用された。ジェフ千葉から移籍してきたこの小さなテクニシャンと在籍3シーズン目のブラジル人セルジーニョ、さらには永井龍らを選択肢に加えながら、反町監督は前田の離脱も想定した前線の組み合わせを作り込んでいくのだろう。
スタートダッシュは必須ではないが。
2月23日の開幕戦で、松本はジュビロ磐田とアウェイで対戦する。ホームタウンが降雪に見舞われることから、シーズン開幕を敵地で迎えるのは例年のパターンだ。
昨シーズンは開幕から6試合連続で本拠地で戦えず、4分2敗とスタートダッシュをかけられなかった。それでも優勝へ辿り着いたのは地力のある証だが、J1はJ2より試合数が「8」も少ない。1試合の持つ意味は、そのぶんだけ重くなる。
スタートダッシュまでは必須でないものの、スロースタートはのちにダメージとして跳ね返ってくる。