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森保Jがイランを上回る要素は何か。
原口元気、堂安律の言葉がヒント。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/01/28 14:00

森保Jがイランを上回る要素は何か。原口元気、堂安律の言葉がヒント。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

今大会で左サイドのレギュラーを任されている原口元気。イラン戦では持ち前の突破力に期待したい。

コンセプトよりも柔軟さを。

 確かに日本代表はこれまで、外国人監督から1つの指示を受けると、それを実行しようとする考えで頭がいっぱいになってしまう課題が何度も浮き彫りになった。

 指示通りにプレーするのは得意でも、良い意味で指示を裏切るような発想で結果を残すのは苦手。監督が日本人選手に細かく求め過ぎると、自由な発想も、クリエイティブな攻撃も失われてしまいがちだった。

 逆に森保監督は、一定のコンセプトよりも柔軟さを求めてきたからこそ、昨年10月ウルグアイに4-3で勝利した時のような、破壊力と即興性のあるサッカーを見せられたのだろう。一方で今大会のように、相手が日本の強みを消そうとしてきた時には、細かい攻撃のルールが設定されていないからこそ、苦しんだ部分がある。

 原口は現在の代表に求められていることをこう捉えている。

「森保さんから『グループの良さ』と『個人の良さ』の両方を出して欲しいと、よく言われています。練習では『グループの良さ』を出そうとしているし、そういうメニューも多い。コンビネーションからの崩しは狙いの1つですから。ただチームとして上手くいかなかった場合、一人ひとりがパッと良いものを出せればチャンスは作れると思う。そこにやりやすさを感じるんだと思う」

「個人の良さ」で上回れるか。

 8年近くかけてオートマチズムを築いてきたイランを、組織力で上回るのは困難を極める。

 もし、日本がイランを凌駕できるとすれば、それぞれの選手が持っている力を極限まで引き出した状態で戦った時だろう。「グループの良さ」こそ劣っても「個人の良さ」で相手を上回れれば、チャンスはある。

 そんな展開を望んでもいいのでは、と思える理由がある。

 森保監督は「実際にピッチに立った時、選手同士のフィーリングがお互いに合うかどうかが大切」という考え方も持っている。それについてどう思うかを問うと、こう返した選手がいたからだ。

「僕の場合、練習でできているからといって試合で100%できるわけでもないですし、練習でできないことでも、試合でできると思っている。それは、海外に行って学んだことです。

 海外では、練習中には何もできなくても試合になったら点を獲る選手がいるし、僕はそういうのを見てきた。練習だと、パッと思い描くイメージはなかなか出てこないし、試合でしかできないプレーもあるのかなと思っています」

【次ページ】 森保監督が説くW杯からの継続。

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