サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
森保Jがイランを上回る要素は何か。
原口元気、堂安律の言葉がヒント。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2019/01/28 14:00
今大会で左サイドのレギュラーを任されている原口元気。イラン戦では持ち前の突破力に期待したい。
7年10カ月と5カ月の差。
そもそも日本代表は、森保一監督が初めて指揮を執った9月から数えて、ようやく5カ月がすぎたところだ。さらに、ロシアW杯を機に代表を自ら離れた選手、代表から遠ざかった選手もいる。
7年10カ月と、5カ月――。
1人の監督の下で強化を図ってきた年月の差を考慮せずに、サッカーの成熟度でも上回れというのは無理難題である。活動期間の限られた代表チームであれば、なおさらだ。
では、森保監督率いる日本代表がピッチの上に立ったときに、何を強みにできるのだろうか。
森保監督は今大会中、こんな言葉を残している。前の試合から先発を10人入れ替えたグループリーグ最終戦、ウズベキスタン戦の前日のことだった。
「練習やミーティングで試合の振り返りもやっていますが、実際にピッチに立って、選手同士が感覚的にフィーリングが合うかどうかが大切だと思います。明日の(ウズベキスタンとの)ゲーム中も、スタートから100%上手くいくというよりも、試合中に対戦相手との状況を考えながらすり合わせていくことを選手にトライしてもらいたいと思っています」
「相手あっての試合」の中で。
ゲームプランを練り上げる戦術家タイプの監督が聞けば、眉をひそめる発言かもしれない。ただ森保監督は後日、こう補足している。
「練習でやったことがそのまま試合で形になれば一番良いですけど、『相手あっての試合』なので。コンディションや相手との力関係、それはチーム全体の力関係もあれば、個々の局面での力関係もある。直近の試合で相手はこうやってきていたけど、我々と戦うときには、違うことをしてくる。
様々なことが起こりえる中で、選手たちには『試合の中で対応力をもって、柔軟にやって欲しい』と。勝てる、強いチームになるためにはそれがやはり必要だと思い、要求していることではあります」
「臨機応変にプレーしないといけない!」
それこそが、森保監督が繰り返し、選手たちに伝えてきたことだ。