“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
強いサンフレッチェ広島ユース復活!
高円宮杯を制し名実ともに日本一へ。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/12/17 17:30
名実ともに名門復活を印象づけた、サンフレッチェ広島ユースの高円宮杯での優勝。若い選手たちのトップチームでの活躍も期待される。
今西和男からの伝統を……。
「森山時代……そして森山より前の時代から、サンフレッチェのユースというのは、若い選手の誰もが『入りたい』と言うような、他のチームと違って一目置かれているチームとして位置づけられてきました。
今西和男さん(日本サッカー界における『GM』の元祖的存在で、サンフレッチェを作り上げた重要人物の1人。現・吉備国際大教授)が地元の吉田高校とユースを提携させるなど、先見の明を持ってやってこられてたのが、その源流にある。その当時から、着々とユースとしての実績を出し続けてきていたのです。
その後を引き受けて4年目になりますが……まず1つにはトップチームでの活躍に繋がる選手を育てること。そして、その次の目的としては、他のチームの選手たちが『サンフレッチェに来たい』、『ユースでやりたい』と思ってくれるようなチームになる、というのがありますね。そのためにも、やっぱり活躍(結果を出すこと。優勝すること等)することは大事だと思います。
去年も力があって、ここ(決勝)で負けた一昨年の選手も力があって、その前の就任1年目の選手は4年間で一番力があった。でもその力が、チームそのものの力にならないと、やっぱり優勝はできないんだなと思った。
今回は非常に運良くというか、リーグ戦でもだいぶキツいなと思う時がありながら、そこを乗り越えて最終節まで戦って、今日もキツいシーンがある中で勝ち切ったのは、サンフレッチェが大事にしてきたものが、実ったからだと思います。
このサンフレッチェが育ててきた実りを……将来に引き継いでいくことができるようになったのではないかと、少しだけ安心しています」(沢田監督)
広島ユースが「大いなる復活」への狼煙を上げた。
この優勝を、これから先の更なる繁栄へ向けて連綿とつないでくことこそが、クラブ全体の本当の栄光となる。
そういう意味で、広島ユースは本当に大きな価値のある勝利を手にすることができたのではないだろうか。