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長谷部誠が語ったダービーの凄さ。
乱闘騒ぎや裁判沙汰も普通のこと。

posted2018/12/14 10:30

 
長谷部誠が語ったダービーの凄さ。乱闘騒ぎや裁判沙汰も普通のこと。<Number Web> photograph by UNIPHOTO PRESS

スタジアムでの発煙筒が肯定されるわけではないが、これも欧州サッカーの一部であることは間違いない。

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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 12月に入り、ドイツ国内各地ではクリスマスマーケットが開催されています。僕の住むフランクフルトは市内中心部の『ハウプトバッフェ』からゴシック様式の建造物が並ぶ有名観光地の『レーマー広場』にかけて、多くの屋台や移動遊園地、屋外ステージなどが設置されて、連日多くの地元民や観光客が詰めかけています。

 クリスマスマーケットと言えば、やっぱり『グリューワイン』! その土地毎に絵柄の異なるカップに温めた赤ワインを注いで供されるもので、これを飲めばどんなに寒くても身体がポカポカします。

『グリューワイン』を嗜みつつ、ドイツ名物のソーセージパンを頬張れば大満足。他にもクリスマスの装飾品やサンタクロースのぬいぐるみが売られているなど、この時期のドイツはきらびやかで和やかな雰囲気に包まれています。

 そんななか、ドイツ・ブンデスリーガの前期が佳境を迎えています。ブンデスリーガは年末年始にシーズンが一時中断するウィンターブレイクを設けているため、シーズン開始から年末までを前期、年明けからシーズン終了までを後期と捉えています。

「ダービーの母」と呼ばれる試合。

 第14節を終えた時点で、ドルトムントが2位のボルシアMGに勝ち点7差をつけてトップ。ドルトムントは第11節でバイエルンに3-2で勝利し、第14節ではシャルケとの『レビアダービー』をも制して無敗を堅持。いまや国内敵なしの状態です。

『レビアダービー』はドイツ国内で最も伝統があり、「ダービーの母」とも称されます。ドルトムントからシャルケの本拠地ゲルゼンキルヘンまでは約20kmしか離れておらず、両クラブの激突はドイツ全土から注目を浴びます。

 驚くのは、1963年にブンデスリーガが創設されてからの両チームの通算対戦成績。今回の試合前まではドルトムントの32勝29分31敗でした。ほぼ互角じゃないですか!

 今季のシャルケはドメニコ・テデスコ監督体制2年目ですが、チャンピオンズリーグへの出場を果たしたことで負担が増し、リーグでは13位と苦境に立たされています。選手陣容や現状のチームコンディションを加味すればシャルケがドルトムントと互角の勝負を演じるのは難しいところでしたが、ダービーとなると選手たちの気迫が凄まじく、今回も簡単な試合にはなりませんでした。

【次ページ】 熱狂的だが、危険ではない。

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長谷部誠

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