第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
土壇場での成長に期待の上武大学。
日本大学は陸上競技部全体の誇りをかけて。
text by
箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph byYuki Suenaga / AFLO
posted2018/12/13 11:00
古豪・日本大学に舞い込んだ朗報。
<関東インカレ成績枠> <前回大会不出場> 2年ぶり88回目
陸上競技部全員で掴み取った切符、
このチャンスを活かせるか。
文=田坂友暁
苦しい時代が続く古豪・日本大学。今回で95回を迎える箱根駅伝だが、日本大学は88回もの出場回数を数え、シード権の獲得数も50、優勝回数は12回を誇る。しかしここ数年はシード権から遠ざかるばかりか、前回は予選会で11位と本大会に出場すらできなかった。
「これが今の私たちの実力だということをしっかりと受け止めたい」
そう武者由幸駅伝監督は言葉少なに昭和記念公園をあとにした。
そんな状況下の日本大学に、朗報が舞い降りてきた。2014~18年の関東学生対校選手権大会(関東インカレ)の総合得点の累計が最も多い大学に与えられる関東インカレ成績枠によって、今回の箱根駅伝への出場権を手に入れた。
予選会免除の利点とプレッシャー。
予選会を免除されたことは、日本大学にとって大きなアドバンテージだ。だが、逆にプレッシャーも大きいのは確か。
「もし成績が悪かったら『関東インカレ成績枠で出場できただけ』と言われてしまう。そうならないような結果を残さなければならない」
今季のチームを率いる加藤拓海主将(4年)は話す。その思いは、前回大会に関東学生連合チームとして出場し、10区を区間6位相当で走り切った阿部涼(3年)も同じだ。
「決して自分たちの力で箱根に出られるわけじゃない。だからこそ、ほかの種目のブロックの選手たちに恩返しができるような結果を残したいですし、このチャンスを生かしてシード権を獲りにいきます」
その意気や良し。しかしながら、今季の日本インカレの5000m、10000mの両種目で2位に入ったパトリック・ワンブィ(4年)がいるとはいえ、総合力で見ればシード権争いができるかどうかのライン上だ。全日本大学駅伝も、1区の横山徹(2年)、7区のワンブィ、そして8区の阿部以外は、区間順位もふた桁台。主将の加藤は出走すらできなかった。