球道雑記BACK NUMBER
香川で深夜の洗濯、千葉で再会。
ロッテ大木貴将と打撃投手の友情。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/12/02 10:00
2015年ドラフトの入団会見で背番号121だった大木(後列右端)。同期入団の平沢大河、成田翔らは一軍での出番を増やしつつある。
バッティングでも新発見。
さらにバッティングでも新たな発見があった。
「今までずっと逆方向のヒット狙いでいたんですけど、ピッチャーから見たらレフト前に落とされるだけなら怖さがない。だったら若いカウントやストライクを取りに来たボールのときは、思い切りバットを振って、長打もあるぞというのを見せていきたい。今年のシーズン後半からはそこを心がけて打席に入っています。
ヒットを打てればいいという考え方もありますが、打球方向がレフトに片寄ると相手も対応してくる。そうなると打球が内野の間を抜けず、レフト前に落ちにくくなったりする。だから外野の位置をもう少し下げたいし、長打もあれば、相手も警戒すると思う。相手を迷わせたうえで逆方向の打球を打てば、今以上に落ちてくれることもあるだろうし、シーズン後半はそこを追求してきました」
来季でプロ4年目、28歳。年齢的にも結果を求められる歳になった。悠長に構えてなどいられない。それは23歳という年で育成枠に飛びこんだ3年前から、ずっと分かっていたことだ。
藤川球児の「イチオシ」。
2015年10月、当時、高知ファイティングドッグスに籍をおいていた藤川球児(現阪神)が自身のブログで大木をこう絶賛した。
「間違いなく使える選手。僕のイチオシ。自信を持ってプレーしてほしい」
四国アイランドリーグplus時代、藤川との対戦成績は大木の8打数4安打。リーグの首位打者にも輝いた彼の打撃センスが高く評価された。大木は言う。
「2017年に一軍の雰囲気を経験できたのは、今後に活きていると思う。ランナーに出たらただ走るのではなくて、変化球がくるカウントを狙ったり、バッターボックスにいるときもイニング、ケース、カウントをよく考えてですね。そこは、この3年間で成長したところかなって思います」
四国で培った“雑草魂”を胸に秘め、大木は来季の飛躍を固く誓った。