月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER

昭和なタバコ文化の残るプロ野球。
原監督の“禁煙令”に思い出すこと。

posted2018/12/01 11:30

 
昭和なタバコ文化の残るプロ野球。原監督の“禁煙令”に思い出すこと。<Number Web> photograph by Kyodo News

来シーズンに向けて、原監督は岡本和真に4番打者固定とともに「禁煙令」を厳命した。

text by

プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

PROFILE

photograph by

Kyodo News

 1980年代(私が10代の頃)、常々思っていたことがあった。『野球選手はスポーツ選手ではない』という持論である。

 野球選手は野球選手であり、他のスポーツ選手やアスリートと同じカテゴリーに入れるのはお互いに不幸だと思ったのだ。もっと言うなら野球選手に失礼ではないかと。

 野球選手はたばこを吸い、酒を浴びるように飲み、肉をたらふく食らい、おねえちゃんに夢中。男の中でもかなり男血糖値が高い人々が集結した世界に見えた。それぐらいの人物だからこそ、当時運動神経が優れた男はまずやったであろう野球でもトップになり得たのだと考えていた。

 今でも忘れられないシーンがある。1986年の「NHK特集」で「清原と桑田~18歳の大物ルーキー~」という密着ドキュメントが放送された。野球少年の私は食い入るように見たが、球界を代表するエース山田久志が清原を語っていた。その状況が印象的だった。

 山田久志はホテルの一室で紫煙をくゆらせながら、余裕たっぷりに新人・清原について語っていたのだ。やたらカッコよかった。「たばこが似合うスポーツマン」といったらヘンだが、野球選手だけにしかないオーラを放っていた。

 '90年代に入り、イチローが登場して流れは変わった。「野球選手のアスリート化」である。現在の野球選手はほぼアスリートにみえる。大谷翔平などはその結晶だろう。

なぜ日本の選手は喫煙するか。

 しかし先日「ああ、以前の残り香はまだあったのか」と思わせるコラムを見つけてしまった。

「某助っ人がポロリ…熱心に練習する選手に限って喫煙者が多いのはナゼ【広瀬真徳 球界こぼれ話】」(東スポWeb11月7日)である。

 外国人選手との談笑の際、ある質問をされたという。

「なぜ日本の野球選手の多くはたばこを吸うんだ? 熱心にトレーニングに励む選手ばかりなのに、そういう選手に限ってたばこを吸う。矛盾していると思わないか?」

 ああ、野球選手はまだたばこを吸っていたのか。

「あまりに唐突だったため、思わず答えに窮してしまったが、確かに野球選手の喫煙率は他のスポーツ選手と比べて高い気がする。CS試合前に球場内の喫煙室をのぞくと、主力選手4~5人が同時に一服している姿があった。おそらく助っ人はそんな光景をシーズン中、毎日見続けたこともあり、チームとは無関係の私に本音を漏らしたのだろう」

【次ページ】 選手がアスリート化する中で。

1 2 3 4 NEXT

この記事にコメントする

利用規約を遵守の上、ご投稿ください。

読売ジャイアンツ
原辰徳
岡本和真
丸佳浩

プロ野球の前後のコラム

ページトップ