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メジャー選抜に大物が皆無でも、
日米野球がアメリカで話題な理由。
posted2018/11/10 11:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
全盛期のバリー・ボンズみたいなスーパースターが皆無の「日米野球」なんて、アメリカ人は誰も気にしてない――。
そんな風に決めつけていたのは、間違いだった。
メジャーリーグ所有の専門局「MLBネットワーク」では、東時間の午前9時からトレードやフリーエージェント(FA)関連の情報番組を何種類かやっているが、それらの番組中でもこのところ、「日米野球」が頻繁に話題になっている。
明治時代からあった日米野球。
「1934年にはベーブ・ルースやルー・ゲーリッグらがBarnstorm Tour(バーンストーム・ツアー)で日本に行くなど、昔からメジャーリーグと日本は交流を続けてきました」
そう言ったのは進行役のマット・バスガーシアンだった。バーンストーム・ツアーとは、親善試合のための遠征を意味していて、野球に限らず、バスケットボールなど他の競技でも頻繁に行われている。レアル・マドリーやバルセロナなどのヨーロッパのビッグクラブが、オフにアメリカに遠征して各地で試合をするのも、アメリカ風に考えればその1つだろう。
バスガーシアンは1934年の同ツアーが「日米野球」の起源のようなニュアンスで話したが、それは「ベーブ・ルース」のネームバリューがあるからだろう。
実際は違う。まだ日本プロ野球が誕生していない明治時代にはメジャーとマイナーの混合チームが来たこともあったし、大正時代にもニューヨーク・ジャイアンツ(現サンフランシスコ)とシカゴ・ホワイトソックスが「史上初のメジャー球団」として日本で大学野球や社会人野球のチームと親善試合を開催したという。
「MLBネットワークでは全試合を中継しますが、生中継は東時間の午前4時ごろからなので、夜の録画放送をお勧めします」