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メジャー選抜に大物が皆無でも、
日米野球がアメリカで話題な理由。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2018/11/10 11:00

メジャー選抜に大物が皆無でも、日米野球がアメリカで話題な理由。<Number Web> photograph by Getty Images

今回の日米野球、メジャーリーグ選抜で最も有名な野球人はやはり、松井秀喜だろう。

昔は錚々たる面子だったが。

 コメンテイターのハロルド・レイノルズ(元内野手、マリナーズほか)は「再放送かも知れないけど、私は観るよ」と答える。彼は現役時代、その「日米野球」に選手として参加した経験を持っている。

「我々の時は……そりゃもう、凄いメンバーだった。カービー・パケット(当時ツインズ)とかオジー・スミス(当時カージナルス)とか、その時点でものちに殿堂入りするのは確実だと思える選手だらけでしたからね」

 今回の「MLBオールスター」チームにスーパースターがいないことは明言しても、大会の在り方そのものを批判することはない。自分たちの局で中継するのだから当たり前だ。

「そういう選手はヤディエル・モリーナ(捕手、カージナルス)ぐらいしかいませんが、今年の新人王候補ロナルド・アクーニャ・Jr.(外野手、ブレーブス)やソト(外野手、ナショナルズ)を中心とした若い選手たちがいいプレーを見せてくれるでしょう」

日本人選手を見るのが楽しみ。

 違う番組ではジョー・マグレイン(元投手、カージナルスほか)のように、きちんと背景を捉えて、こう言う人までいた。

「日本のチームはこの大会をとても真剣に捉えていると思います。なぜなら、こういった国際大会の経験が『侍ジャパン』と呼ばれる日本のチームにとっては2020年の東京五輪へ繋がるからで、それはこのスポーツにとって、とても良いことだと思います」

「ブライス・ハーパー外野手がナショナルズ提示の10年総額3億ドルの契約延長オファーを蹴ったのは、ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)の13年総額3億2500万ドルよりも高額の契約を狙っているからでしょう」と議論された数分後に、「日米野球」について語られる不思議。

 大事なのは「日米野球」に注目している人は彼らだけではないという事実だ。

「純粋に日本の野球選手を見るのも楽しみです。このオフは菊池雄星という投手がポスティングにかかる予定ですが、優秀な選手はまだまだ、日本にいるでしょうし、メジャーリーグの関係者も注目していると思いますよ」

 と再び、マグレイン。

【次ページ】 日本のプロ野球は愛されている。

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