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鹿島スタジアムキャンプに潜入取材。
ピッチ上に泊まり、星を眺めてみた。
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph byHirokazu Ikeda
posted2018/10/31 10:00
スタジアムにテントが並んだ光景は異様だが、そこで過ごす時間が楽しそうなことは簡単に想像がつく。
これでもかと企画されたイベントの数々。
「なるべく来た人が飽きないようにとプランニングしていた」(萩原副所長)
キャンプイベント当日は、さまざまなコンテンツが用意された。ヨガなどの健康プログラムやスタジアムツアー、鹿島神宮周辺をウォーキングする神の道ツアーから始まり、子ども向けスイカ割り大会も開催。アントラーズのアウェイゲームに合わせ、夜はスタジアムコンコースで毎年夏の間に実施しているビアガーデン会場を使い、パブリックビューイング(PV)を開催した。
PVはスタンド内の大型映像装置でも映し、ビアガーデン会場で応援する人、ピッチから声援を送る人、アントラーズの試合をそれぞれの形で楽しむ姿があった。夜には星座に関する謎解きゲーム、天文学者の布施哲治さんが講師となって火星大接近や天文学についての講座があったり、望遠鏡で星を見たり、星座早見表を作成したり。アントラーズOBのレジェンド名良橋晃さんもゲスト参加し、イベントを大いに盛り上げた。
ピッチ上の構成にも一工夫を加えた。もともとカシマスタジアムにあるスポーツジム「カシマウェルネスプラザ」で実施しているヨガをコンテンツに入れようと計画していたため、ピッチ半分は何も置かずアクティビティスペースとして、もう半分はテントを敷き詰めて宿泊スペースとした。
ピッチで過ごすこと自体の特別さ。
ただ、実際に当日を迎えると、参加者の反応が想定とは少し違っていた。
「とにかくヒマな時間を作らないようにしたけれど、コンテンツに参加しないでピッチで寝転んだり、サッカーをしたり、ピッチで過ごす時間を楽しむ方もいたんです。これが特別なことだったんだと改めて気がつきました」
「よくキャンプ場では、日よけのためにタープを張ったり、椅子を並べてバーベキューやキャンプファイアーをしたりという楽しみがあります。ただ、今回はそこを制限させてもらいました。ピッチ上での飲食は水のみ。テントもこちらで設営したものに宿泊してもらいました」
本来、キャンプといえば、テントを立てたり、食事を作って飲み食いしたり、大自然を楽しむというものだろう。そのため、今回の企画は普通のキャンプよりも制限される分、キャンプ愛好者にとっては物足りなさがあるのではという懸念があった。