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ドジャースの勝機と球場要因。
ワールドシリーズの結末を占う。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2018/10/26 11:15

ドジャースの勝機と球場要因。ワールドシリーズの結末を占う。<Number Web> photograph by AFLO

ワールドシリーズ開幕前に握手を交わしたドジャースのロバーツ監督(左)とレッドソックスのコーラ監督。

レッドソックスの充実ぶり。

 下馬評では、レッドソックス優勢を予想する声が高かった。案の定、初戦の彼らは、ドジャースの大黒柱クレイトン・カーショーを立ち上がりから打ち込み、幸先のよい1勝をあげた。第2戦でも、先発デヴィッド・プライスが粘り、ジョー・ケリー→ネイサン・イーヴォールディ→クレイグ・キンブレルとつないだ継投策が功を奏した。

 レッドソックス2連勝。シーズン108勝の安定感もさることながら、昨年の覇者アストロズを敵地で3連破したALCSでの戦いぶりが、いまなお継続しているように見える。

 ALCSでの立役者は、ジャッキー・ブラッドリー・ジュニアやラファエル・デヴァーズといった伏兵だった。シリーズに入ってからは、ムーキー・ベッツやアンドルー・ベニンテンディといった主軸が調子を上げているし、J・D・マルティネスは、ずっと好調をキープしたままだ。観客は、レッドソックス打撃陣の層の厚さをいまさらながらに痛感しているにちがいない。

 この打線に、ドジャース投手陣は抗することができるのだろうか。

投手ではドジャース優位。

 ポストシーズン(LCS終了時点)の成績を見ると、ドジャース投手陣は、トータルで100イニングスを投げて、防御率2.79という数字を残している。レッドソックス投手陣は81イニングスで3.78。

 先発投手だけに絞ると、両チームの差はさほど大きくない。ドジャースが58回3分の1で防御率3.86、レッドソックスは43回3分の2で3.92だ。

 ただし、ブルペンではドジャースが優位に立つ。レッドソックスは37回3分の1で防御率3.62という数字だが、ドジャース救援投手陣は41回3分の2を投げて1.30と圧倒的な成績を収めている。抑えのケンリー・ジャンセンはもとより、このところはペドロ・バエスやディラン・フローロの好投が光る。

 なかでもバエスは、6試合に登板し、6回3分の2を投げて、防御率0.00、10奪三振。ドジャースに終盤の逆転劇が多かったのは、彼ら中継ぎが踏ん張っている間に、打線がこつこつと借金を返していくパターンに持ち込むことができたからにほかならない。

 第7戦までもつれたNLCS(対ブルワーズ)を振り返っても、ドジャースはレギュラーシーズンと戦い方を変えていた。本塁打数リーグ最多だったあのチームが、第4戦と第5戦では本塁打ゼロで勝利を収めているのだ。

【次ページ】 球場要因を味方につければ。

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