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ドジャースの勝機と球場要因。
ワールドシリーズの結末を占う。
posted2018/10/26 11:15
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
AFLO
ワールドシリーズがはじまった。レッドソックス対ドジャースの顔合わせは、1916年以来、なんと102年ぶりだ。そのときは、レッドソックスが、当時ブルックリン・ロビンスと名乗っていたドジャースを、4勝1敗で退けている。
レッドソックスのエースは、まだ21歳だったベーブ・ルース(23勝12敗、防御率1.75)で、ダッチ・レナードやカール・メイズもそれぞれ18勝(防御率2点台前半)の好成績をあげている。
一方のロビンスは、外野にケイシー・ステンゲルやザック・ウィートを擁していたものの、戦力的にはレッドソックスの敵ではなかった。ただしレッドソックスも、翌々'18年にワールドシリーズを制したあと、至宝ルースをヤンキースに売却するという暴挙が祟り、長い冬の季節を迎えることになる。
近年は好対照な両チーム。
そして2004年――。レッドソックスはルースの呪いを打ち破って、86年ぶりのシリーズ制覇を果たす。以後15年間で、ポストシーズン進出は合計9回('04~'05年、'07~'09年、13年、'16~'18年)。そのうち3度('04年、'07年、'13年)はシリーズを制している。21世紀に入ってからシリーズで3度の優勝を達成したのは、ジャイアンツとレッドソックスの2チームしかない。
一方のドジャースは、1988年を最後に、30年間もシリーズ優勝から遠ざかっている。そう、カーク・ギブソンやオレル・ハーシュハイザーがいたあのチームだ。’04年以降で数えると、ポストシーズン進出は10度にのぼるが、ワールドシリーズに駒を進めたのは'17年と'18年の2回だけ。'17年は3勝4敗とアストロズに屈し、あと一歩のところで涙を呑んでいる。
では、23日午後8時すぎ(アメリカ東部時間)に幕を開けた今年のシリーズは、どう展開するのだろうか。