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大リーグ連覇はなぜ至難の業なのか。
アストロズが見せた脆さの本質。

posted2018/10/28 17:00

 
大リーグ連覇はなぜ至難の業なのか。アストロズが見せた脆さの本質。<Number Web> photograph by Getty Images

バーランダーや、昨季MVPのアルトゥーべ(中央)を擁したが、連覇の夢はレッドソックスに阻まれた。

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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 またしても、連覇はならなかった。

 昨季、球団創設以来、初めてワールドチャンピオンの座に就いたアストロズが、ア・リーグ優勝決定シリーズでレッドソックスに1勝4敗で屈した。今季は、開幕前から優勝候補の筆頭に挙げられ、公式戦では球団史上最多の103勝をマーク。アスレチックスの猛追を振り切り、2年連続で地区優勝を飾った。

 ポストシーズンでも、地区シリーズでインディアンスに3連勝するなど、経験値、総合力とも抜きん出たチームとあって、世界一の最右翼との呼び声も高かった。

 それでも、最後は勝ちきれなかった。

 これでヤンキースが1998年から2000年まで3年連続で世界一に輝いて以来、連覇したチームは出ていない。この18年間のスパンは、MLB史上最長となった。

 この間、リーグを連覇し、2年連続でワールドシリーズに出場したチームでさえ、'08~'09年のフィリーズ、'10~'11年のレンジャーズ、'14~'15年のロイヤルズ、'17~'18年のドジャースと4チームしかいない。

 つまり、それほどワールドシリーズ連覇のハードルは高い。

攻守、分析とも充実していたが。

 今季のアストロズは、連覇できる要素が整っていた、はずだった。

 チーム打率こそ、メジャー7位の2割5分5厘にとどまったものの、計205本塁打をマーク。さらに、チーム防御率3.11、1687奪三振、被打率2割1分7厘と、投球部門で軒並みメジャー最高成績を残すなど、傑出した投手力でライバル球団を圧倒してきた。しかも、メジャー最少の63失策と、堅固な守備力で投手陣を支えた。

 今や球界の潮流となった細やかなデータに基づいた野球スタイルも、すっかりチームに浸透した。'11年サイ・ヤング賞のジャスティン・バーランダーをはじめ、昨季MVPのホセ・アルトゥーベらチームの核となる選手も不動とあって、極論すれば、弱点を探すことが難しいほど、チーム力は充実していた。

 それでも、最後は勝ちきれなかった。

【次ページ】 バーランダーが口にしたこと。

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