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森保Jとイングランドに共通点あり。
勇敢な若きタレントと勤勉な監督。 

text by

井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/10/24 10:30

森保Jとイングランドに共通点あり。勇敢な若きタレントと勤勉な監督。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

就任後の3試合で結果、内容ともに得られた森保一監督。その手腕が世界で注目を浴びる時は来るだろうか。

言葉の一人歩きを避ける。

 森保監督も見るからに真面目な指導者だ。今のところ、表立って彼を批判する人は少ないが、現場で聞こえてくるのは「面白みのない会見」といった意見だ。

 ただそこには、監督の意図がある。記者会見では極めて慎重に言葉を選んでいるように見えるが、それは過去の日本代表監督の言葉が過剰に取り上げられてきたことを覚えているからだろう。

 フラット3、ポリバレント、デュエル、古くはアイコンタクトなんてものも流行った。そして近年は、ひとつの言葉がその代表のすべてを表しているかのような論調が形成されたりもした。

「サッカーには攻撃もあれば守備もあり、速攻もあれば遅攻もあるんだと発信していただきたい」

報道陣とも良好な関係を。

 森保監督は当たり前のことを言っただけだ。キャッチフレーズはなくてもいい、と。ただメディアは時にフォーカスポイントを定めて、物事を極端に分かりやすく伝えようとすることがある。

 最初にそこを牽制したのだろうか。いやむしろ、伝える側とも良好な関係を築き、共に日本のサッカーを成長させていきたいからだろう。ちょうど、サウスゲイト監督が代表合宿で選手と報道陣のプール(ビリヤード)大会を開いたり、W杯本大会前に選手全員のインタビューを実施したりしたように。

 フットボール発祥地の代表は、そんな指揮官のもと、若者たち(と幾人かの年長者)が活躍して望外の結果を手にした。我々の代表チームも、熱いハートを持つ勤勉な監督と共に、前向きにひとつずつ歩みを進めていけば、明るい未来が開けると信じよう。

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