猛牛のささやきBACK NUMBER
オリ新監督、西村徳文が打ち出す
「積極性、アグレッシブ」って?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2018/10/18 07:30
10月11日の就任会見では、「誰にも負けない情熱をもって選手とも接していきたい」と熱く語った。
失敗してもいい、の意識で。
打席では初球から甘い球をどんどん打っていく。守備においても攻めていく。そして絶えず先の塁を狙う。
「『足を使ってくるぞ』というところを、相手にどうやって見せていくか。そう思わせることが相手にとってかなりのプレッシャーになりますから。誰もが常に“隙あらば”という意識を持って野球をしていかないといけない」
選手たちに向けた第一声にも、積極性を引き出す言葉があった。秋季練習初日の10月14日、練習開始前の円陣で、西村新監督は選手たちの前でこう話した。
「記者会見でも言った通り、アグレッシブな野球をしていく。全員、それをわかってやっていってほしい。競争になると思うけども、競争心を持ってやってもらいたい。失敗を恐れず、結果を気にせずに、どんどん挑戦していってほしい」
投手の松葉貴大は、「選手としてはやっぱり失敗が怖いですし、ミスしたくないという気持ちがどうしても強くなってしまうもの。でも監督のほうから、『失敗を恐れずに』、『失敗してもいいじゃないか』というふうに言ってもらえると、心の余裕もできますし、思い切ってやれます」と指揮官の言葉に勇気を得ていた。
チームとしての熱さを見たい。
今年、オリックスの観客動員数は12球団最少だった。
以前、オリックスからセ・リーグのチームに移籍した選手が、こう話していた。
「今のチームの方がお客さんも入っていて、“ホーム”という感じがある。“プロ野球”という感じがします」
なんとも寂しい。ただここ数年、オリックスは、ファンが何としても球場に駆けつけたいと思うような、球場を訪れた観客が沸き立つような、そして新たなファンを惹き付けるような、そんな試合が少ないのも事実だ。
優勝争いに絡むこともなく、淡々とシーズンを重ねてきた印象がある。もちろん選手1人1人は全力を尽くしているのだが、チームとしての熱さが、目に見えるかたちでなかなか伝わらない。
新監督が掲げるアグレッシブな姿勢、失敗を恐れない攻めのプレーが、チームを大きく変えることを期待したい。