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10年前のドラフトから考える楽天。
球団3年目の勢いが見えた下位指名。

posted2018/10/18 10:30

 
10年前のドラフトから考える楽天。球団3年目の勢いが見えた下位指名。<Number Web> photograph by Kyodo News

辛島航の目標は、数年前から「二桁勝利」なのだが未達である。安定してローテを任せられるまであと一歩なのだが……。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Kyodo News

 NumberWebではドラフト会議のすべてを知るスポーツジャーナリスト・小関順二氏に依頼し、全12球団の10年前のドラフトを振り返って今を検証する、「2008年のドラフト会議、その後」という短期集中連載を企画しました!
 今回は、来季は楽天生え抜きの平石洋介監督代行が正式に監督として指揮を執ることが決まった東北楽天ゴールデンイーグルスです!

2008年のドラフト会議・東北楽天ゴールデンイーグルス

1位 藤原紘通/投手/NTT西日本
2位 中川大志/内野手/愛知・桜丘高校
3位 井坂亮平/投手/住友金属鹿島
4位 井上雄介/投手/青山学院大学
5位 楠城祐介/外野手/パナソニック
6位 辛島航/投手/飯塚高校
育成1位 森田丈武/内野手/香川オリーブガイナーズ

下位指名に球団の野心が見えた。

 分離ドラフトでその後の大黒柱、田中将大(駒大苫小牧高校)、銀次(盛岡中央高校)、嶋基宏(国学院大学)、渡辺直人(三菱ふそう川崎)、聖澤諒(国学院大学)を獲得し、2009年にはチーム初のAクラス、2位に躍進している。

 そういうチームの勢いを窺わせるのは、ドラフトの上位指名よりむしろ下位指名である。

 最後の6位で指名した辛島航(投手・飯塚高校)は'08年夏の甲子園大会に出場し、1回戦の浦添商戦に先発、7失点で敗退している。それでもドラフトで獲得するべき選手だったのだ。

 ストレートの最速は138キロで速さは感じられず、むしろ多投するカーブとスライダーのキレのほうが目立った。これは現役の今も共通する辛島の長所だ。

 ここまでの通算成績は39勝54敗、防御率3.91。

 戦力にはなっているが、今求められているのはローテーション3番手くらいの安定感だろう。高校時代と同様に、課題はストレートのキレである。

 4位井上雄介(投手・青山学院大)、5位楠城祐介(外野手・パナソニック)は。残念ながら成績を残せなかった。

【次ページ】 活躍するはずだった上位選手達。

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