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10年前のドラフトで考える日本ハム。
ハズレ年でもなんとかする育成の雄。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byKyodo News

posted2018/10/12 08:00

10年前のドラフトで考える日本ハム。ハズレ年でもなんとかする育成の雄。<Number Web> photograph by Kyodo News

2018年シーズンは選手会長としても活躍した中島卓也。5月には生涯2本目となる本塁打も放っている。

大野は球界を代表する捕手の1人に。

 大野は同時期に鶴岡慎也がいたため100試合以上出場したのが3シーズンしかない。

 投手の長所を引き出す鶴岡に対して、古田敦也、城島健司の流れをくむ「キャッチャーの自我」を表に出してリードする大野という特徴があり、それがいい意味で日本ハム投手陣の配球に“強弱”のアクセントをつけていた。

 '17年のWBCにジャパン代表として出場、'13年には2度目の盗塁阻止率1位(.421)、'16年にはゴールデングラブ賞に輝いている。

 中日移籍後の成績こそよくないが、日本球界を代表するキャッチャーと言っていい。

中島、杉谷、谷元らも見事に成長。

 中島はドラフト前、チームメートの三嶋一輝(DeNA)に注目が集まる中、まったく話題になっていなかった。

 守備と脚力に注目していた山田正雄GM(当時)は興味のないふりをしたが、ソフトバンクの永山勝スカウト(当時)が最後まで球場にとどまっているので不安だったと回想する。

 知名度の高い杉谷より1つ上の順位で指名しているところに、そのあたりの苦労がしのばれる。

 プロ野球入り後は守備と脚力だけでなくバッティングでも魅了するようになり、2018年10月10日現在、通算571安打を記録している。'15年には34盗塁でタイトルを獲り、遊撃手としてベストナインにも輝いている。

 杉谷は通算205安打と記録面では中島に及ばないが、内野全般と外野を守れるユーティリティプレーヤーとして、チームになくてはならない存在となった。ちなみに'18年は二塁20試合、三塁2、外野35試合の守備に就いている。

 谷元は'17年7月の中日移籍後は登板数が減っているが、私が成功選手の目安にしている「300試合登板、50勝(1セーブ、1ホールドは0.5勝)」をクリアしている投手である。

 '15~'17年の3年間は20ホールド以上を挙げ、防御率も2.32~3.31の間で安定していた。突然のトレードには驚かされた人も多いはずだ。

 持ち味はストレートの伸びで、「トラックマン(ボールの動きを計測するレーダー測定器)」の計測では2400rpm(毎分回転数)で一流と言われる回転数が2600にも達し、大谷翔平を越えたと評判になった。

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