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三木谷浩史が語る「イニエスタ獲得は、
社会構造改革の一環だ」 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/09/03 07:00

三木谷浩史が語る「イニエスタ獲得は、社会構造改革の一環だ」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

世界を飛び回る三木谷氏。この日も海外からの帰国翌日のインタビューとなった。

「Jリーグは世界有数のリーグになる」

――イニエスタが日本でプレーするということは、神戸だけではなく日本サッカー全体にとっても確実にプラスになっています。

「僕はJリーグのチェアマンにもよく言っているんです。世界の経済規模でいうと、現在はアメリカ、中国、日本という順番です。アメリカにはMLSがありますが、降格もなく、やや違うリーグです。中国のリーグも、そこまで世界から注目されているとまで言えない。となると、日本が経済大国の中で一番優勢となる。だからJリーグは世界有数のリーグにもなれるはず、これが僕の理論です。

 これからはイノベーションの時代なので、単純に日本人が興行的に楽しんでいるということじゃなく、Jリーグ自体が日本の社会の行き先を体現する流れになるべきだとJFAやJリーグの幹部の方々にも提言させていただいています」

――バルサのスポンサー就任直後にインタビューさせてもらった時、「年間65億円という金額は広告宣伝費としては十分採算が合っている」と断言されたのが印象的でした。今回も同じような確信がありますか?

「そうですね。今回はヴィッセル神戸の構造改革の一環であると考えています。事業面もそうですし、それからスタジアムの経営権も取って、Jリーグ自体に改革、協力していく。そのような土台を作る“建築費用”だと。これは数年たってイニエスタがスペインに帰った後も、ずっと継承されていくものだと思っています」

「日本はもう一回開国していく必要が」

――スポーツ界全体の構造改革を進めることも頭にはあるのでは?

「今、シリコンバレーに行くと、アメリカ人だけでなく、インド人や中国人、ロシア人などいろんな人が集まっている。そうやって英知を集め、世の中は変わっていくわけです。

 日本は第3次産業革命以降、組み立て加工型の経済発展をしてきました。でも、これからはそういう世界じゃなくなってくる。

 日本の社会自体も構造改革、いわゆるもう一回開国していく必要がある」

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