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水球女子代表問題とは何だったのか。
大本監督がSNSで伝えたかった本意。
posted2018/08/20 08:00
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
AFLO
「水球女子日本代表」問題は、どこへ消えたのか。
7月中旬、水球女子日本代表の合宿が途中で打ち切られるという前代未聞の「事件」が起きた。それを引き起こした要因の1つが、また、普通ではなかった。
男子代表監督兼日体大水泳部部長である大本洋嗣が、SNSで女子代表の戦い方に異を唱えたことが引き金になったというのだ。
一時はワイドショーでも再三取り上げられるなど世間の耳目を集めたが、結局は因果関係すらはっきりしないまま世間からは忘れ去られてしまった感がある。
8月11日に第三者委員会の結論は出た。ひとまずは大本のけん責処分で幕を下ろすようだ。
だが今回、大本の行為以上に問題だったのは、大本が「悪質行為」と指摘した女子選手のプレーである。
7月下旬、スポーツ紙等を賑わした女子代表を巡る「事件」は、そもそも最初の女子合宿打ち切りという報道からして要領を得なかった。
今回、これだけ水球関連のニュースが混乱したのは、第一報がまったく関連のない事項を、さも関連があるかのように書き立てたからだ。
これまで報道されている4つの要素。
これまで報道されている要素は4つだ。
(1)6月24日、関東学生リーグ決勝における秀明大(多数の現日本代表、元日本代表選手が所属)vs.日体大(現日本代表1名)において5枚もの水着が破れたこと。※5枚のうち4枚を秀明大の選手が破いた。
(2)7月18日、女子日本代表と日体大の練習試合における危険なプレーで、日体大の監督が猛抗議したこと。
(3)女子日本代表が朝5時台から4部練をするなどパワハラまがいの「猛練習」をしているらしいということ。
(4)7月18日深夜、男子日本代表の大本監督が自身のFacebookで、女子代表の戦い方に異を唱えたこと。
今回、私が触れるのは(1)と(4)についてである。