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水球女子代表問題とは何だったのか。
大本監督がSNSで伝えたかった本意。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byAFLO
posted2018/08/20 08:00
アジア大会を戦う水球日本女子代表。今回の問題が強化に影響を及ぼさないことを願う。
日大アメフトなどと違うのは……。
取り上げられた経緯はともかく、水球がこれだけ世間の注目を集めることは滅多にない。日大アメフト部、女子レスリング、アマチュアボクシングとスポーツ界の不祥事が続いているが、水球の事件はそれらとはまったく異質のものだ。
リオ五輪が終わった後、私は『小説新潮』に「もがく海神」という長めの大会レポートを書いた。監督と選手が必ずしも一枚岩ではなかったことをうかがわせる証言も載せた。それでも大本は取り上げてくれたことに礼を言ってくれた。
他の3つの事件との最大の違いは、事件の中心にいる大本は自分に都合が悪いことを指摘されたからといって逃げるような人物ではないということだ。
日本水泳連盟は、今後、女子のラフプレーを防止するためのワーキンググループの設置を決めた。この事件をきっかけに、改めて女子代表の戦いぶりを検証して正すべきところは正し、変革の第一歩とすべきだ。でなければ、大本が流した血が無駄になる。