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池江璃花子、アジア大会で新次元。
疲労の中で勝ちきる感覚をモノに。
posted2018/08/22 18:00
text by
田坂友暁Tomoaki Tasaka
photograph by
AFLO
池江璃花子(ルネサンス)が止まらない。
インドネシア・ジャカルタで19日からスタートした第18回アジア競技大会の競泳競技。8月9~12日に東京・東京辰巳国際水泳場で行われた第13回パンパシフィック水泳選手権からの連戦ということもあり、選手たちの身体にも疲労が蓄積されている。
さらに言えば、今回は屋根はついているものの、西武ドームと同じように半屋内で、レース中にも風が吹くような環境だ。
にもかかわらず、池江は好記録を連発。昨年9月、台風の影響を受けて雨風が降りしきる中の屋外プールで行われた愛媛国体において、50m自由形の日本記録(当時)を更新した池江にとって、環境はさほど問題にならないのかもしれない。
それにしても大会3日目を終えて、初日の4×100mリレー、2日目の50mバタフライ、100m自由形、そして3日目の100mバタフライを制し、すでに4冠を手にしている。惜しくも4×200mリレーは銀メダルに終わったが、それでも池江のラップは1分55秒27と、そう悪くないタイムだ。
今までにないくらい疲れている。
100mバタフライの予選後、見た目にも分かるほど疲れた様子を見せていた。
「もう、ウォーミングアップの時点から身体が全然動かなくて。今までにないくらい、身体が疲れていると感じています」
10代で高校生の池江は、大学生や社会人スイマーたちよりも身体の回復が早い。とはいえ、パンパシフィック水泳選手権でも4日間で予選決勝を合わせて12レースをこなしている。その1週間後にスタートしたこのアジア競技大会でもレースがない日は、ない。
そんな状態であっても、しっかりとテーマを持って泳ぎ、自分の状況を把握しながらレースをこなし、結果を残すのには驚かされる。