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「Vリーグは存亡危機」と警鐘も。
新方式に選手はどう向き合うべき?
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJapan Volleyball League Organization
posted2018/07/25 16:30
6月9日のプレーヤーズミーティング・若手研修会では、男女各カテゴリーの選手が出席した。
見たことがない人に見てもらう。
NECレッドロケッツは地道に川崎市内の小学校を回ってバレーボール教室などを開催しているものの、まだ活動の認知度は低い。柳田は続ける。
「今まで選手はプレーとか、バレーボールだけに集中して、取り組むことが大事だと教えられてきました。そうして試合に勝つことができればよかったのですが、これからはそれだけではなくて、バレーボールを見たことがない人に、バレーボールを見てもらえるような活動をしていく必要があると思っています」
2016/2017シーズンのV・プレミアリーグにおいてNECは優勝したが、「元々バレーを知っている人や、バレーに興味を持っていた人しか優勝したという結果を知りませんでした。それじゃだめだという強い危機感はあります」と柳田は話す。
スポーツに理解がある企業でも。
NECにはレッドロケッツのほかにブルーロケッツという男子チームがかつて存在していた。折からの不況で運動部を縮小しなければならなくなり、2009年、男子バレーボール部のブルーロケッツが休部となった。
「今、レッドロケッツを率いている金子隆行監督が元ブルーロケッツの選手なので、男子チームが昔、あったことは聞いています。細かい事情まではわかりませんが、休部の原因には少なからず成績が関係していたと聞いています。ですから、わたしたちは、おそらく他のチームより危機感は強いと思います」
また、いつ不況の波が襲ってくるかわからない。
「NECはスポーツに理解があって、協力的な会社だと感じていますけど、会社の中には『自分たちが働いているのにスポーツだけやっている』という見方をする人も当然、いると思う。そういう人たちに、どうしたらわたしたちがやっていることをプラスに感じてもらえるのか、これからも考えていきたいです」
同じくプレーヤーズミーティングに参加していたサントリーサンバーズの星谷健太朗は言う。サントリーはいち早くナイトゲームを企画するなど、集客に関して積極的に取り組んでいる印象が強いチームだ。
「今日参加して説明を聞いて、想像していたよりはVリーグ機構側にはしっかりとした展望があるんだなと感じました。僕は以前から不思議だったんですよ」