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宝塚記念はステイゴールドが強い!
パフォーマプロミスに期待する理由。 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2018/06/23 07:00

宝塚記念はステイゴールドが強い!パフォーマプロミスに期待する理由。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

綺麗な鹿毛に端正な顔立ちのパフォーマプロミス。ステイゴールド譲りの大器晩成をここで見せるか。

全力で走っていなかったことの証明。

 能力が足りないから、一生懸命走っても2、3着が多かった、というわけではない。本当はものすごく強いのに、力を出し切っていなかったからそういう成績だった――ということを、自らの走りで証明する。

 7歳になった'01年、初の海外遠征となった3月のドバイシーマクラシックで、武豊を背に、ランフランコ・デットーリが乗る欧州最強馬ファンタスティックライトをきっちり差し切った。

 そして、ラストランとなった12月の香港ヴァーズでは、最後の直線、まず届かないと思われた後方から追い込み、GIを初制覇。これは、日本産の日本調教馬による海外GI初制覇でもあった。

 7歳も終わろうとする通算50戦目に海外GIを勝てる馬が、4歳や5歳の全盛期に、どこも悪くないのに国内のGIIやGIIIでも2、3着ばかりだったのは間違いなく、全力で走っていなかったからだ。

オルフェもゴルシも激しい性格を受け継いだ。

 だからといって、ボーッとした怠け者というタイプではなかった。いつも、噛んだり、蹴ったり、立ち上がろうとする、凶暴な馬だった。池江師が「肉をやれば食うんじゃないかと思いましたよ」と言ったほどだ。

 3コーナーで逸走したり、ゴール後に鞍上を振り落としたオルフェーヴルも、ゲートで隣の馬に吠えて立ち上がったゴールドシップも、父から競走能力と一緒に、激しい性格も受け継いでいたのだ。

 ステイゴールドは、2015年2月5日、種付け後に死亡した。ラストクロップとなった今年の2歳馬は1頭だけ。ハルノナゴリという牝馬で、マイルチャンピオンシップを勝ったサダムパテック、ヴィクトリアマイルを制したジュールポレールの姪にあたる。

【次ページ】 宝塚記念にもステイゴールド産駒が1頭。

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