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宝塚記念はステイゴールドが強い!
パフォーマプロミスに期待する理由。
posted2018/06/23 07:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
2009年ドリームジャーニー、'10年ナカヤマフェスタ、'12年オルフェーヴル、'13、'14年はゴールドシップ。
過去10年の宝塚記念で、4頭のステイゴールド産駒が、実に5勝を挙げている。のべ13頭が出走してこの成績だ。ちなみに、ディープインパクト産駒はのべ18頭が出走して'16年マリアライト、キングカメハメハはのべ19頭で'15年ラブリーデイが、それぞれ1勝ずつ。春のグランプリでは、ステイゴールド産駒の強さが際立っている。
ステイゴールド自身は、現役時代、宝塚記念に4年連続4回出走したが、未勝利に終わっている。
初めて参戦したのは、4歳だった1998年。9番人気という低評価ながら、逃げ切ったサイレンススズカに3/4馬身差まで迫る2着に追い込んだ。
この年は、春秋の天皇賞も2着で、有馬記念は3着。強いが勝ち切れない「善戦マン」として注目されるようになった。
2度目の宝塚記念参戦は'99年。グラスワンダーが優勝し、スペシャルウィークが3馬身差の2着。ステイゴールドはそこから7馬身遅れた3着だった。
3度目の2000年はテイエムオペラオーの4着、4度目の2001年はメイショウドトウの4着だった。
「競馬では、とにかく一生懸命走らない」
ステイゴールドは、'96年12月の新馬戦から'01年12月の香港ヴァーズまで、約5年にわたり、50戦して7勝、2着12回、3着8回という成績だった。そして、生涯GI出走回数20、連続重賞出走回数36という、当時のJRA記録を樹立した。
こうした戦績から思い浮かぶのは、「いつも真面目に走る頑張り屋さん」といったイメージだろう。
ところが、この馬はそうではなかった。調教助手時代に稽古をつけていた池江泰寿調教師はこう話した。
「競馬では、とにかく一生懸命走らず、どこかでやめる機会をつねに窺っていた。あの馬は、ハミをさらってグッと左にモタれたら、騎手が追えなくなり、直線で全力疾走せずに済むのをわかっていたんです」