ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
マネ、レバンドフスキ、香川……。
クロップ最高傑作がW杯でバトル!
posted2018/06/07 17:30
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph by
Getty Images
リバプールのユルゲン・クロップ監督は、ロシアワールドカップのグループHから目を離せなくなるだろう。自身の“最高傑作”とも言える教え子たちが、それぞれの国を代表する選手として鎬を削るからだ。
ポーランド代表のロベルト・レバンドフスキと日本代表の香川真司はドルトムント時代の愛弟子で、セネガル代表のサディオ・マネはリバプールで'16年夏から師弟関係を結んでいる。唯一、コロンビア代表に所縁のある選手が存在しないものの、まもなく51歳になる熱血漢はハメス・ロドリゲスに首ったけ。何度となく獲得に名乗りを上げており、今夏も引き抜きの可能性を探っている。
そんな指揮官に心酔するのがマネだ。セネガルの片田舎で幼少期を過ごした快足アタッカーは、15歳の時にセネガル最大の育成機関『ジェネラシオン・フット』に加入し、19歳でフランスのメスに渡る。
ドルトムント時代もマネに誘いが。
その翌年にレッドブル・ザルツブルクへ移籍。このオーストリアの新興クラブでメキメキと頭角を現わすと、瞬く間にヨーロッパ中の有力クラブから注目される存在になった。爆発的なスピードと加速力を活かしたドリブルで違いを作り出し、とりわけ速攻時に異彩を放つプレースタイルは、時間もスペースも限られた現代サッカーにはピッタリで、ザルツブルクには連日のように獲得の打診が殺到した。
サネによれば、この頃にクロップ率いるドルトムントからも接触があったという。
本人も“ロックンロール”と形容されるクロップの勇敢で前向き、かつスピード感溢れるサッカーに強く惹かれていたが、安売りを避けたいザルツブルクの意向で、ドルトムント行きの可能性はすぐに消滅。'14年夏、2300万ユーロ(当時のレートで約32億4000万円)という巨額の移籍金を置き土産にして、イングランドのサウサンプトンへ戦いの場を移すことになった。
クロップの下でプレーする希望は叶わなかったが、しかし腐ることなく、マネはこの新天地で躍動。国内リーグで2シーズン連続となる2桁ゴールをマークし、プレミア指折りのアタッカーと称される存在にまで成長したのだ。