フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ロベカルが最新セレソンを検証。
今と昔のチームの一番の違いは……。
posted2018/04/17 17:00
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph by
Franck Faugere
『フランス・フットボール』誌3月27日発売号はブラジル代表の特集である。
チッチ監督のもとワールドカップ南米予選を1位で通過し、完全復活を遂げたように見えるブラジルだが、実際はどうであるのか。ネイマールの負傷は、好調セレソンにどんな影を差すのか……。
特集後半の核を成すのがロベルト・カルロスのインタビューである。レアル・マドリーに籍を置き、育成アドバイザーとして世界各国を回り、またクラブのオフィシャルテレビの解説も務めるロベルト・カルロスは、ブラジル代表の現状をどう見ているのか。フレデリック・エルメル記者によるインタビューの抜粋を伝える。
監修:田村修一
「ドイツ戦の1-7は過去の出来事ではない」
――ブラジルのイメージは今も国の内外を問わずドイツ戦での1-7の敗北に象徴されているのでしょうか?
「ある意味それは当然で、'98年W杯決勝の敗北(0-3、フランス戦)と同様にドイツ戦の1-7は過去の出来事ではないし今も大きな痛みを伴っている。2014年に僕はブラジルのテレビでワールドカップの解説をした。'98年大会は実際にプレーしていたから、ふたつの痛みの比較が僕にはできる。
ただ、僕らは未来に目を向けねばならない。監督のチッチは、たとえ簡単ではないにせよ、1-7を人々が完全に忘れ去ることができるように、ブラジル代表を前に進めようとしている。
ブラジル国外では、ドイツ戦はスポーツのトピックとして語られているけど、国内では今も大きなトラウマだ。
メンタリティや文化の問題で、ブラジルではよいことはあまり役には立たない。再出発は常に最悪のところから始まるわけだから」