フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ロベカルが最新セレソンを検証。
今と昔のチームの一番の違いは……。
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph byFranck Faugere
posted2018/04/17 17:00
現役最後の所属チームはインド・スーパーリーグのデリー・ディナモス(選手兼任監督)。2015年シーズン終了後に現役引退した。
今のセレソンはこの10年間では最強。
――今のチームは2014年のチームより強いのでしょうか?
「そう思う。攻守のバランスを考えながら、スペクタクルなサッカーも甦りつつある。監督は守備の安定を強調するが、全体として4年前よりも良くなっている」
――この10年間では最高のチームと言えますか?
「もちろん」
――同等のチームは、あなたの時代まで遡りますか?
「机上の議論でなら、1982年のチームとも比較できる。僕らのチームも、あの偉大なスペイン・ワールドカップのチームとよく比較されたからね。
今の代表は、'82年のクオリティと'02年の組織力を兼ね備えている。'18年の優勝を狙うチームとしては悪くないだろう(笑)」
――伝統的にブラジルはGKが弱点と言われてきましたが、現代表には優れたGKがふたりいます。
「ふたりに限らない。ローマのアリソンとマンチェスター・シティのエデルソンの他にも、コリンチャンスのカシオやクルゼイロのファビオもいる。GKに関しては豊かな世代だ」
今のブラジルは「3人で攻めて7人で守る」。
――ガブリエル・ジェズスは、攻撃のパズルの穴を埋める最後のピースだと思いますか?
「チームの軸がネイマールであるならば、ガブリエル・ジェズスはネイマールをサポートする存在だ。ネイマールの前後で、チームのスターであるネイマールのためにプレーする。彼にはそれだけの知性と能力がある。
ちょうどベンゼマが、レアル・マドリーでクリスティアーノ・ロナウドにそうしているように。ベンゼマと共通する謙虚さを彼は持っている」
――今のブラジルは、高い位置からプレスをかけているので失点が減っているようですが。
「監督は戦術に長けているということさ。
3人で攻めて7人で守る。このやり方で、チームはとてもよく機能するようになった。
それからカゼミーロの存在も大きい。レアルでそうであるように、セレソンでも彼はチームのバランスを取る要となっている。プレーがスムーズに流れるのは、彼がカバーリングに能力を発揮するだけでなく、攻撃でも知性のあるパスを出すことができるからなんだ」