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全国の強豪集まる謎のサッカー大会?
「船橋招待」支える市立船橋監督の志。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/04/15 08:00
左から、市立船橋サッカー部の朝岡隆蔵監督、コーチの式田高義。
全国各地にある見応えあるサッカーフェス。
実は、日本全国にはその地域の強豪校が中心となって、全国各地の強豪校や強豪Jユースを招いて開催するようなサッカーフェスティバルが沢山ある。
例えば選手権優勝校の前橋育英が主催する「プーマカップ群馬」、福岡の東海大福岡(旧・東海大五)が主催する「大五フェスティバル」、星稜が主催する「石川県ユースサッカーフェスティバル」、岐阜の大垣工業が主催する「全国高校サッカー選抜大垣大会」などが代表例だ。
市船もそこに招待され、良質の対戦相手、競技環境において試合を重ね、強化してきたのだ。その過程の中で常に招待される側だった自分達に、朝岡は大きな疑問を感じたわけだ。
朝岡は2013年から大会の段階的なリニューアルを重ねてきた。そして、2016年には東福岡をこの大会に招待した。ちょうどその前年の2015年のインターハイ決勝で激突し、市船が敗れた因縁のライバルだった。
「前年(2015年)のインターハイ決勝で負けたときに、『来年の船橋招待に絶対に東福岡を呼ぼう』と決めたんです。理由は単純にウチより良いチームだし、プレミアも東西違うので、なかなかやれる機会がないと思ったし、2013年のプレインターハイのお礼もしたいという想いがありました」
このオファーを東福岡側も快諾。
東福岡を率いる森重潤也は、「市船に勝つことができなければ、全国優勝は考えられない。市船と戦うことは、全国での自分達の立ち位置、目指すべきものを推し量る重要な指標になる」と、「市船倒さずして、全国制覇なし」と高いモチベーションで2016年から今回と3年連続で参加をしている。
全国から強豪ばかり15チームも集まった!
リニューアルを重ねてきた船橋招待は、今年は全国から15チームが集結。
北からベガルタ仙台ユース、矢板中央、前橋育英、國學院久我山、東京ヴェルディユース、市船、千葉U-18、桐光学園、静岡学園、帝京長岡、名古屋グランパスU-18、京都橘、広島皆実、徳島ヴォルティスユース、東福岡……という強豪チーム名がズラリと並ぶこととなった。
試合は、市船が日々練習や試合を行っている法典公園グラウンド(通称・グラスポ)と、'16年に完成した高瀬下水処理場上部運動広場(通称・タカスポ)、最終日のみジェフユナイテッド千葉U-18の協力でフクダ電子フィールドの3会場で行うこととした。