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時機を逸した監督交代の唯一の価値、
日本人指揮官で戦うということ。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJFA/AFLO
posted2018/04/10 13:30
西野監督の組閣では早川直樹コーチ(左)、手倉森誠コーチ(中)ら日本人スタッフの去就も注目される。
2人のキーマンは留任させた方がいい。
W杯まで残り2カ月と言っても、実質的な準備期間は5月下旬からの約3週間だ。新たなコーチングスタッフの選定は重要になる。
組閣は西野監督に一任されている。ガンバ大阪を率いていた当時のスタッフや、U-21日本代表の森保一監督の兼任コーチなどが噂されているが、スタッフの総入れ替えはゼロからのスタートを意味する。
田嶋会長は西野監督を「内部昇格」と位置づける。技術委員長としてチームに帯同していたこともあり、選手のプレースタイルや性格などは把握できているだろう。
ただ、選手とのコミュニケーションが密接だったとは言えない。クラブチームを指揮していた当時に接点のある選手も少ない。3月の欧州遠征のメンバーでは、宇佐美貴史ぐらいである。
日本人同士なので通訳が必要なく、コミュニケーションが取りやすいといっても、W杯直前のキャンプで「はじめまして」の関係が生まれるのはマイナス材料でしかない。選手からの信頼が厚い手倉森誠コーチは、引き続きスタッフに引き留めるべきだ。
日本代表や五輪代表に長く帯同し、選手の身体を熟知する早川直樹コンディショニングコーチも、留任させたほうがいい。西野監督がどのような組閣をするとしても、彼ら2人の後方支援は欠かせない。
自分が仕事をしやすいスタッフではなく、勝つために必要なスタッフを、西野新監督には揃えて欲しいのである。