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フィギュアの国際ルール改正へ。
“美しい”羽生結弦が断然有利に!?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2018/04/08 11:30
『SEIMEI』で見せた、羽生結弦の妖艶でキレのある演技。単なるジャンプ以上のものを、羽生はファンに見せてくれた。
ルール変更で、羽生結弦有利になるかも!?
羽生結弦のコーチであるブライアン・オーサー氏も昨秋、フィギュアスケートサイト『icenetwork』の記事で、30秒短くなることに関してこう語っている。
「あらゆるエレメンツを行ない、トランジションや振り付け、意味やまとまりに注意を払ったプログラムを行うには、より優れたスケーターにならなければなりません。ただ、トップスケーターであっても、フィジカル的にとても難しいことであるでしょう」
新ルールでクリアすべき課題も出てくるが、いずれにしても、今回のルール改正ではオールラウンドに優れたスケーターにとって有利になることが予想される。
そう考えると、新しいルールでより強みを発揮する選手として、現状では羽生結弦の名前が浮かぶ。
例えば、平昌五輪のフリー『SEIMEI』の冒頭に跳んだ4回転サルコウは、+3ではおさまらない完璧なジャンプであったことを考えても、GOEが11段階に広がり、より詳細に出来栄えが評価されるのは有利にはたらく。
限られた時間の中で、あらゆる技術をどのように磨いていくか――。
それぞれの要素の完成度を高めながら偏りをなくし、トータルでレベルアップを図ることができるか。
来シーズンからはそんなスタンスが求められていくことになるだろう。