オリンピックへの道BACK NUMBER
羽生結弦のあまりに深いスケート愛。
アイスショーで語った仲間と幸福。
posted2018/04/19 08:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kyodo News
その舞台は、それぞれの人にとってフィギュアスケートがいかなる存在であるかを感じさせる時間だった。
4月13日、武蔵野の森総合スポーツプラザ。羽生結弦が自身初めてプロデュースした「Continues ~with Wings~」(コンティニューズ・ウィズ・ウィングス)が幕を開けた。
「これまでたくさん応援してくださったファンの皆様へ、 感謝の気持ちを込めて凱旋報告いたします」という趣旨で開催されたショーの冒頭、挨拶に立った羽生はタイトルに込めた思いを語った。
「僕が今まで生きてきた中で、またスケートをしてきた中で、すべてが自分の人生、スケートに受け継がれていると思いますし、たくさんのことが自分に継承されて、ここまできているんだなという思いから、自分が大きなつながりを持った方々、そして偉大なスケーターの方々にオファーし、このショーをやらせていただくことができました」
参加したのはエフゲニー・プルシェンコ、ジェフリー・バトル、シェイ=リーン・ボーン、ジョニー・ウィアー、川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ、無良崇人、佐野稔。
その1人ひとりと深いつながりがあることは、スケーターが登場するごとに放送された羽生の紹介映像メッセージからも伝わってきた。
「僕のジャンプの面倒を見てくれた」
無良のときには、こんなエピソードを披露した。
「僕のジャンプに関して、いちばん面倒を見てくれた先輩、無良君です。僕と無良君のジャンプってすごくタイプが違って、僕はどちらかというと繊細、タイミングとか軸とかをすごく重視して跳ぶんですけど、無良君の場合は、力強さとか力を使って跳ぶタイプなので、ぜんぜん違う。
その中でも自分のジャンプをすごく面倒見てくれて、違った視点から見てくれた。まだ自分がトリプルアクセルを跳べて間もない頃、ぜんぜん安定していなかったんですけど、仙台で一緒に練習して、こうやったら跳べる、そういうことを無良君のお父さん、無良君と一緒に教えていただいたことがあります」