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甲子園優勝の意味を知り尽くす2校。
大阪桐蔭と東海大相模の特別さ。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byKyodo News
posted2018/04/02 12:00
花巻東を19-0で圧倒し、いよいよ本領を発揮しはじめた大阪桐蔭。準決勝の相手は三重だ。
PL学園、横浜というライバルの存在。
神奈川はチーム数は全国トップで、春夏通算の勝率は全国2位だ。総合的に見て、大阪に次ぐ激戦区といっていい。
そして、大阪桐蔭にはPL学園というライバルが存在したように、東海大相模には1998年に松坂大輔を擁し春夏連覇を達成した横浜がいた。門馬監督は話す。
「横浜の渡辺(元智)前監督が一時代を築かれた。そこに少しでも近づきたい、そして越えなければ、うちは甲子園に出られなかった。露骨に『打倒横浜』という言葉を使ったこともある。また、向こうが『打倒相模』を掲げていると、新聞で読んだこともあります。そうして磨き合ってきたのは事実だと思います」
毎年、大阪桐蔭と定期戦。
その東海大相模は今、さらに大阪を見ている。毎年、大阪桐蔭と定期戦を行っている理由を門馬監督はこう説明する。
「神奈川もすごいですが、大阪にはもっとすごいところがある。全国制覇を目指すと言っても、その基準がわからなければ目指しようがないじゃないですか。だから、実際に戦ってみて、こんなボールを放るんだとか、こんな打球を打つんだと感じないとダメだと思うんです。どこに向かって一生懸命やるかが大事なわけですから」
全国制覇を掲げて日々練習しているチームは全国に数知れない。しかし、その意味を深く理解し、実践しているということでいえば、現時点で、この両チームは全国1、2位と言っていいのではないか。
順当にいけば、この両チームが決勝で雌雄を決することになるだろう。