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Jリーグの平日開催は必然なのだ。
反発覚悟で導入するしかない事情。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2018/04/02 07:00
今季ブンデスリーガでは月曜日開催に反対して、テニスボールがピッチに投げ込まれたことも。
試合開始前に抗議のテニスボールが。
今季は5試合が設定され、すでに3試合が行われた。初の月曜日開催となったフランクフルト対RBライプツィヒでは、サポーターの抗議によって試合開始が遅れただけでなく、後半開始前に抗議の意味を込めてテニスボールが大量に投げ入れられた。
2試合目のドルトムント対アウグスブルクでは、応援をボイコットする姿勢を示すために観戦を断念したサポーターもいた。シグナル・イドゥナ・パークには今季平均80940人が詰めかけていたが、この日は“わずか”5万4300人しか訪れなかった。
週明けの月曜日開催はこれまでのサッカー文化を壊すものであり、観戦するサポーターのことを考えない施策だと、ドイツでも批判的な声は挙がっている。
週2回の試合を考えると調整は少し楽。
その一方で、ポジティブな考えもある。
まずは競技面についてだ。ライプツィヒは今季ヨーロッパリーグ(EL)を戦っているが、月曜開催を初めて経験したフランクフルト戦後、スポーツディレクターであるラングニックは、このように話している。
「魅力的な試合開始時間でないのは確かだ。ただ、我々がのナポリとのELのアウェーマッチ後、普段より1日多く準備期間があったことは理にかなっていた」
EL出場チームが国内リーグ戦で低迷するのはよくあること。試合数が増えることで怪我人が出たり、疲労が蓄積されるためだ。ELは木曜に開催され、これまでEL後の国内リーグ戦は日曜開催で固定されてきた。
つまりELの前には3日間の準備期間があるが、リーグ戦前には2日しか準備期間がない。それゆえ疲労が抜けきらない中での戦いを余儀なくされ、成績が振るわなくなるのだ。今季で言えばケルンがそのケースに当てはまった。一般的に「疲労を抜くためには中3日が必要」と言われることを考えると、ラングニックの指摘はある意味で的を射ている。
Jリーグでも金曜開催の多くが、翌週火曜か水曜にACLを戦うチームの試合となっている。選手の疲労やコンディションを考えれば、ACLまでの準備期間を1日多く設けられるこのシステムは理に適っている。それにより、怪我のリスクもいくぶん、改善できるからだ。