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開幕3連敗のガンバ大阪は大丈夫?
遠藤保仁に聞いたクルピ流の攻撃像。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/03/18 08:00
開幕3連敗で単独最下位のガンバ大阪だが、雰囲気は悪くない。遠藤保仁も新スタイルには手応えを感じている。
イメージは明確だが、実現はまだ遠い。
「スタートのポジションはあるけど、それは重要じゃない。たとえば自分の最初の立ち位置がトップ下だとしても、別にずっとそこにいる必要はなくて、味方のポジションを見ながら自由に動き、うまくチームを回していって多くのチャンスを作って点を取れるようにしていく。
ボランチの時はボランチとしての役割を果たし、相手が攻めている時でも常に得点をイメージして守備をしていく。そういうレベルの高いプレーをしていきたい」
イメージは明確だが、そういうプレーをピッチ上で実現するまでには至っていない。
相手との力関係もあるが、ビルドアップで押しこむ展開ができていない。攻撃のパターンも名古屋戦の2点がそうだったようにサイドからの展開が圧倒的に多く、遠藤が今季の狙いとしていた、相手のバイタルエリアでのボール回しはほとんどできていない。そこからチャンスを広げることもできていない。
守備は高い位置からボール奪取を目指しているが、川崎戦では奪えないので引いて守備のブロックを作り、カウンターを狙うしか術がなかった。結果として奪ってからテンポよく攻めることができず、引っかかって逆に再度カウンターを喰らうという悪循環だった。
遠藤は守備について「飛びこまず我慢した」と言ったが、自陣に押しこまれても取りに行かず、何分間もボールに触れられない時間がつづいたのには、ちょっと驚いてしまった。
中盤の組合せはまだ手探り状態。
戦術が浸透するための時間が足りないこともあるが、ユニットのコンビネーションや組み合わせにも問題がある。
クルピは選手の配置や適性などまだ見極めている段階で、特に昨年と違うのは中盤のユニットだ。
ボランチの井手口陽介がスペインに移籍し、今野泰幸は右足首の捻挫で離脱中。今は、主に遠藤と市丸瑞希がボランチでプレーしている。
攻撃力の高いコンビだが、守備力は今ひとつ。クルピは矢島慎也&市丸、遠藤&市丸と試し、いずれも「バランスがよくない」というが、これは選手たちが問題なのではなく、組み合わせの問題だ。今野が復帰し、守備的な選手が入るとバランスは良くなるだろうが、遠藤以外の選手との相性は分からない。