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日本人なら今年のMotoGPは必見!
ホンダ対ヤマハの構図と中上貴晶。
posted2018/03/16 07:00
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
2018年シーズンが今年も中東の国カタールで開幕する。これがアップされるころには初日のフリー走行が始まっていると思うが、どんな結果になっているのか、想像するだけでわくわくする。
そこで、開幕までの各チームのテストの進行状況を書いておきたい。
今年のウインターテストは、昨年の11月に最終戦バレンシアGPの行われたスペイン・バレンシアで2日間、年が明けて1月下旬にマレーシア・セパン、2月中旬に今季初開催となるタイ・チャン・インターナショナル・サーキット、3月上旬に開幕戦の舞台となるカタール・ロサイル・インターナショナル・サーキットで、それぞれ3日間行われた。そのほか、プライベートテストを実施しているメーカーチームもあるが、概ね、合計11日間の公式テストに参加して新しいシーズンを迎える。
この11日間のテストを終えて、昨シーズンからの伸びしろをもっとも感じさせたのはホンダ陣営である。
ホンダは過去2年、マルク・マルケスがチャンピオンを獲得しているが、ホンダ勢全体の平均点としては決して高くはなかった。つまり、マルケスのライダーパフォーマンスの高さと頑張りがタイトル獲得につながっていたのだが、今年は、チームメートのダニ・ペドロサ、LCR・ホンダ所属でホンダワークス契約となったカル・クラッチローの仕上がりが非常に良く、その2人も、公式テストでトップグループの常連となっていた。
今年のホンダはエンジンを大幅改善!
大きく改善されたのはエンジン。
これまでは、ありあまるパワーをうまく使えず、スピニングやウィリーなどでスピードをロスしていたホンダRC213Vだが、今年はマイルドな味付けになり、パワーを有効に使えるようになった。
ライダーの感覚としては、これまでとくらべてパンチのないエンジンになったようだが、レースでもっとも大事な連続周回のアベレージがあがったこと。それが結果としてベストタイムにもつながった。