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高校生・福田湧矢をクルピが大抜擢。
ガンバが探す次の「第1ボランチ」。 

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下薗昌記

下薗昌記Masaki Shimozono

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posted2018/03/01 11:15

高校生・福田湧矢をクルピが大抜擢。ガンバが探す次の「第1ボランチ」。<Number Web> photograph by Getty Images

稲本潤一、宇佐美貴史、井手口陽介……G大阪は若手が抜擢され、中軸となる伝統がある。福田もその系譜を継げるか。

守備力はまだ「ポスト井手口」ではない。

 クルピ監督の抜擢の狙いを慮るのは、今季からトップチームでもコーチを務めるガンバ大阪U-23の宮本恒靖監督だ。

「第1ボランチができる今野が怪我をしているので、そこを誰にやらせるかレヴィーも模索している。レヴィーは(福田)湧矢がエネルギッシュにボールを奪いに行くところとか、ピッチ上の存在感を気に入っている」

 キックオフ直後、福田は名古屋のジョーに激しく寄せに行くなど、生きの良さを見せた。そして「試合が始まれば緊張はなかった」という言葉通り、持ち前の攻撃センスも随所でのぞかせた。

 ただ、責めるのは酷だが名古屋に許した1点目ではバイタルエリアをあっさりと和泉竜司に突破されるなど、守備面では急造ボランチならではの甘さも露わになった。

「あの場面はファウルしてでも止めておけば、結果はまた違った。そういう自分の甘さを感じられたのも収穫」(福田)

 攻撃面では随所に「東福岡の10番」を感じさせた一方で、「ポスト井手口」にはほど遠い守備力は、今後の福田にとっての明らかな課題。60分間のデビュー戦で、見えたものは決して少なくはなかったはずだ。

相棒の市丸は「遠藤の後継者」に。

 まだまだ未知数な「ボランチ福田」とは対照的に、ピッチでギラリと輝きを放ったのが相棒の市丸だ。

「福田とバランスを取りながらやれた。楽しんではやれたけど、結果が出なかったのは残念」と満足感は口にしなかった。だが、プロ3年目にしてつかんだ開幕スタメンで、「遠藤の後継者」という肩書きに偽りがないことを証明している。

 名古屋のDFラインの背後に好パスを供給したり、全盛時のガンバ大阪の組み立てを感じさせる縦パスを入れてみたりとセンスを発揮。本来は典型的な第2ボランチの市丸だけに、今野と併用すれば、より攻撃面で輝きを放つはずだ。

【次ページ】 とはいえ第1ボランチの補強は急務。

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