話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
新生マリノスの真ん中に天野純。
「何かやりそうな選手になりたい」
posted2018/02/06 11:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Getty Images
元オーストラリア代表監督のアンジェ・ポステコグルーが監督に就任し、新体制でスタートした横浜F・マリノス。
宮崎合宿ではGKからビルドアップし、つなぐ意識を徹底させる練習が目についた。ブロックを作って守備を固め、鋭いカウンターで勝星を稼いだ昨年とは異なる戦術に取り組んでいる最中だが、そのつなぎの中心になりそうなのが天野純だ。
昨年、主にトップ下として33試合に出場し、5得点を上げてチームの中核に成長した。今シーズン、齋藤学、マルティノスという強力な両サイドが移籍し、攻撃面の戦力ダウンが危惧されているが、天野は彼らの不在を自らの進化で少しでも埋めようとしている。
監督交代するたびに苦戦してきたジンクス。
チームには、ボステコグルー監督の新戦術の浸透が進行している。
システムは、アンカーを置く4-1-4-1(4-3-3)になりそうだ。天野は左のインサイドハーフかシャドーのポジションに入っているが、まだレギュラー確定ではない。天野いわく「選手は横一線」だという。
「監督の中では、昨年の実績とか積み上げはゼロに近いですね。僕も最初の石垣島のキャンプではBチームだったんで。今はレギュラーで出られるように監督にアピールしている段階で、日々充実しています。ただ僕にとっては3人目の監督なんですけど、これまで監督が代わっていいことなかったんですよ(苦笑)。今回は、そうならないように気合を入れて危機感を持ってやっています」
監督が代わり、戦術的な最大の変化はパスをつなぐサッカーに移行したことだ。GKから細かくパスをつなぎ、インサイドハーフに入った瞬間にスピードアップし、少ないタッチ数で一気にゴール前に迫る。前にうまく運べない時は無理せず、ピッチを広く使って回し、相手の隙を窺う。
「昨年、トップ下をしていた時は左右に自由に移動してやりやすかったですけど、今年はサッカーもポジションも違うんで、まだ整理しながらやっている感じです。まぁシャドーでは、割り切って前に出ていって得点に絡んでいかないといけない。インサイドハーフは攻守両面でやらないといけないですが、ここも前に絡むことが求められる。どっちも監督のサッカーでは肝になるポジションなので、すごくやりがいはあります」